やりやすいことから少しずつ

好きだと言えないくせして子供みたいに死ぬほど言ってもらいたがってる

『氣志團万博2017』に行ってきました! 感想(その4)

前回までのお話↓
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岡村ちゃん終わりでトイレに行こうと移動しつつ少しMIYAVIを見る。通り過ぎただけでちゃんと聴かなかったので今回のフェスの内容は分からないのですが、MIYAVIってすごいよね。ドラムとギターだけ(今回はDJもいた)であの音を生み出すんだもん。ギターはもちろんですが、ベースとドラムとパーカッションとDJを一緒に演奏してる感じ。
そしてBOBO。彼はすごい。笑い飯西田に似ているとか言っている場合じゃないんだ。彼はすごい。私はドラムのこと全然分からないのですが、以前何かのフェスでYUKIのドラムを彼が叩いていて、素通りするつもりがドラムの音に「何だこの音は!」と思った記憶があります。ドラムで足止め、ドラムで二度見。その後別のフェスで見たくるりのドラムでも「何だこの音は!」体験が。他の人と何が違うんだろ。ひたすらタイトだから?


さて、そろそろ山下達郎の時間。何とここで雨が止む奇跡!音楽の神様が山下達郎を最高のコンディションで見せてやろうという粋な計らいですな。


達郎が鉄郎!


達郎さんは、自分の熱心なファンが少ないこういうフェスでどんなセトリで臨むのかなーと思っていると、聞こえてきたイントロは『ハイティーン・ブギ』!イントロでは「??」というお客さんが多かったですが、歌い出しで大盛り上がり!
達郎さん、分かっているわー。みんなが知っていて意外で盛りあがる曲。つかみバッチリじゃないですか!
続いて『SPARKLE』。カッティング職人山下達郎のすごさがわかる1曲。


曲終わりでMC。「こんばんは、山下達郎です。あいにくの天気ですが、台風がなんぼのもんじゃい。雨風上等です。台風が怖くてライブができるか」「私は隠れ氣志團ファンで、昨年2016年一番聴いたシングルは『幸せにしかしねーから』です。300回くらい聴きました」翔やん失禁してるんじゃない?
「雨なのでセットリスト変えました。バラードやめます」と言って弾き始めたのは『BOMBER』!これもファンキーカッティングでカッチョイイやつ!途中からはベースのスラップがカッチョイイやつ!
達郎さんのバンドは当たり前ですが皆さん上手くて、全体では溶け合っているのに各楽器を聴くといろいろ弾いている。アレンジの上手さ、足し引きの上手さもあるし、こうやって全体のバランスと各楽器のクリアさを聞こえるようにするのは、PAさんが優秀なのかな?
そして『硝子の少年』!分かってる!あなたは分かってる!
さらに『アトムの子』!やばい!楽しくて死んでしまう。さらにコーラスに竹内まりやが来た!死んでしまう!しかし途中で『アンパンマンのマーチ』をわざと変な声で歌う達郎さん。突然どうした?おかげで死の淵から生還しました。
まだノンストップで『恋のブギ・ウギ・トレイン』!達郎さん同じギターで弾きまくりだけど、チューニング狂わないのかな?プロのミュージシャンは1~2曲ですぐギター交換している人多いのに。
曲の後半で達郎さんは花道まで出てきてギター弾きまくり。なのにリズムずれない。えー、達郎さんはイヤモニしているのかな?ホールツアーではしてなかったけど。神様だからイヤモニなんてなくても平気なのかな?
さらにこれでは満足せず、今度はステージいちばん後ろの台に登ってスクリーンの前で弾きまくり。神様にここまでやられたらもう誰も勝てません。
ここでバンドメンバーが退場し、あーこれで終わりかと思っていたらドラム、ベース、キーボード、ギターだけ残って『さよなら夏の日』。この構成上手い!上手すぎる!
正直、達郎さんが「バラードやめます」と言ったときは「えー、バラード聴きたいよう」と思いましたが、こうやってアッパーな曲連打されるとそれでも十分で、バラードのことなんて忘れていたのに、ラストでこれかよ。泣くやつじゃん。


山下達郎終了。神は実在した。「山下達郎はCMとかで使われているバラードくらいしか知らない」という人でも知っている曲は多かったでしょうし、知らなくても「この曲、この演奏、このカッティング、このグルーヴすげえ!」と思わせる圧倒的な力でした。
音楽ジャンルはたくさんあって、どれがいいとか決められるものではないしそれはみんなの好みでいいのですが、そんな好みの違いなんか無効にする「いいものはいいと思わせる圧倒的な説得力」のライブでした。


で、達郎さんライブが終わった直後に大雨!神様が待ってくれたんですね。もしくはここまで演出だったんですね。


さあ、大トリの米米CLUBです。


私、元ネタが分からなかったのですが、高橋留美子さんのイラストでこういうやつがあるんですね?
煽りVTRで翔やんは「米米CLUBが解散した直後に我々は結成したので勝手に生まれ変わりだと思っている」と言っていたのですが、そうかなあ。音楽を使ってエンタテインするのは同じだけど、インプットもアウトプットも違う感じがする。
米米はバブルの時代にも合っていた(だからバブル崩壊後は合わなくなった)し、とんねるずなどの「カッコいい>笑える」という価値観(米米の価値観ではなく、見ている私たちの印象として)だった、というのが私のイメージです。「ザ・芸能人」が似合うイメージ。
対する氣志團はヤンキーとサブカルが根底なので、全く違う。音楽の才能もないけど「それでもやっていく」「こんな俺たちでもできる」という部分がファンを掴んでいる印象です。とんねるずと共演しても肩を並べている感じではなく、常に「カッコいいお兄さんを憧れる田舎の若者」が透けて見える。そこが魅力なんですけどね。
対する石井さんは煽りVTRで「持ち時間の38分間、ひたすら『SHAKE HIP』やろうかな」と言っていました。こちらの方が上手!


1曲目は『僕らのスーパーヒーロー』。これかー。フェスなんだからもっとみんなの知っている曲の方がいいのでは?
続いて『I・CAN・BE』『FUNK FUJIYAMA』。CDで聴いていて思ったけど、ライブで確信。米米は、ドラムが弱い。なのでファンクをやってもファンキーにならない。バスドラとスネアとハイハット。どこでバスドラを2回踏むのか、スネアは基本のビート以外のどこに入れるのか、どこでハイハットをハーフオープンで叩くのか。ほんのわずかの違いでリズムは全然違うものになる。


帰りのシャトルバスや電車のことを考え、お次の『浪漫飛行』の途中で私は退場しました。会場を逆流しながらお客さんの顔を見ると、みんな『浪漫飛行』歌ってる。さすが国民的大ヒット曲。強いなー。


再びシャトルバスに乗り、駅へ。ラーメン食べたい。
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食べかけですみません。やっとビールが旨い。
ホテルについてもまだ飲んでいいよね。
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タイムテーブルのしわしわ具合がこの日の雨を物語る。


ああ、終わってしまいました。雨風大変でしたが、言わせてもらおう。氣志團万博最高かよ!
今はライブの時代です。その流れで音楽フェスも全国でたくさん開催されています。それはとてもいいことなのですが、供給過多で最近は大手が手掛けてビッグネームも登場するのにお客の入りがイマイチのフェスもたくさんあります。
そりゃそうだ。これだけフェスが乱立していてミュージシャンもたくさん出演している現在、お目当てのミュージシャンは他のフェスにも出ています。それならわざわざそのフェスに行く理由がない。
そう、「わざわざそのフェスに行く理由」が必要なのです。人気が継続しているフェスはどこも特色があります。その中で、この氣志團万博は、作っている側の思いが十二分に伝わってくるフェスです。
煽りVTRの作りこみ、出演者の工夫と愛情のこもったイラスト、楽屋の暖簾、翔やんから出演者への直筆の手紙、開催のずっと前から翔やん本人の言葉で呼びかけてもらえるTwitter、どれもやっつけや義務感ではできない心配りと実行力です。
これだけやられたら出る側も気分いいし、お客である私たちも「また来たい」と思います。ブッキングよりもフェスのファンになるのです(と書きながら岡村ちゃんの出る年しか来ない私…)。


もちろん、改善してほしい点もあります。
まずは入場のもたもた。シャトルバスの到着口から会場入場までそもそも距離長いのに、チケットをリストバンドに換えるところでもたつくのが嫌です。こんなの開場直後しか混まないんだから、ここに人を集中して投入し、ノーストレスで入場させてほしいです。
もぎるスタッフの少なさと、動線の悪さ。
あと、トイレが少ない。トイレに並ぶ時間ほど無駄で不快な時間はないぜ。メインステージ周辺のトイレは通路に沿って設置してあるのですが、並ぶルールが分からない。ある時間は長い列ができて空いた個室があったらそこに行く、というルールで、ある時間は各個室の前に並んで、目の前の個室が空いたら入っていく、というルールでした。どっちでもいいのですが、分かりやすくしてください。それ以前に、並ばせるな。数と箇所を増してくれ。


それでも、やはり「氣志團万博最高かよ」です。
私の家から木更津は遠いので来年行くかと問われればブッキング次第と答えてしまいますが、でも行きたい。
翔やん氣志團の皆さん、スタッフの皆さん、出演者の皆さん、お疲れさまでした。とてもいいフェスでしたよ。


COME ALONG 3

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