やりやすいことから少しずつ

好きだと言えないくせして子供みたいに死ぬほど言ってもらいたがってる

レキシ武道館ライブ2017に行ってきました!(10月11日)感想

好感度100%男


レキシ武道館公演に行ってきました。今回は2日目「不思議の国の武道館と大きな稲穂の妖精たち ~キャッツの日~」のレポです。
1日目「稲穂の日」についてはこちら。
ese.hatenablog.com
初日は、ツアーの内容とほぼ同じでした。もちろんそれでも十分楽しかったのですが、個人的には武道館だからいろいろ変えてくると思っていたので少し残念な気持ちもありました。まあ、残念:2、楽しい:1096くらいですけど。
なので、この2日目も少しは変えてくるかもしれないけど基本ツアーの流れかなーと思っていたのです。
しかし、それはすべてこの日の大いなるフリだったのです…!!!!


オープニングの映像は同じ、1曲目『KATOKU』も同じ(まあ、この映像からはこの曲しかできないので当然なのですが)。ああ、やっぱり昨日と同じ流れか、と思っていました。
しかし2曲目に『年貢 for you』!おお、いきなり変えてきた!そして途中で「今日は旗本ひろし(秦基博)の誕生日なんですよね。誕生日だからゲストに来ると思っていた人いるでしょ?誕生日にレキシのゲストなんて来るかい!」と笑わせた後、「ひろしの誕生日を祝して」と『GIRL』のサビ部分を歌ってくれました!


『KMTR645』では昨日と同じくイルカ大量投入。ライブで盛りあがる曲だなー。キュッキュッキュー!
続いてのメドレーでは『妹子なぅ』『LOVE弁慶』『流鏑馬の馬』をつなげた『妹子の馬LOVE』を披露。おおお!新しいメドレーだ!この日のため?このツアー他の公演でもやってた?この日のためだったらすげー。こんな大変なこと、この日1日のためだけにやるなんて!
途中の脱線コーナーでは安室ちゃんの『Don't wannna cry』、星野源『恋』(レキシを超えてゆけ 星野は越えられない)を織り交ぜてくれました。


『SHIKIBU』の後、ゲストコーナー。昨日はニセレキシ(ユザーン)でしたが、今日は誰かなー。ユザーンでした!いや、いいんですけど。
ここでも十分過ぎるほど笑わせてくれて、『Takeda'』へ。この日は前日よりぐだぐだでした。途中ユザーンが池ちゃんに蹴り入れてましたよ。
その後もう1曲やる流れで「まあ、ここは2日間同じだよな」と思っていたら、この日は『古墳へGO!』のfeat.タブラバージョン!これは面白い!元曲がさらにパーカッシブになってとてもよい!
さらにこの曲の途中から『マツケンサンバ』に変化!元気出せ!遣唐使渡和久)とニセレキシの3人でマツケンサンバを踊ります。何て無駄に豪華でくだらない脱線。


こんなに笑わせた後、『最後の将軍』で感動させるレキシめ。憎い奴。


渡さんとのぐだぐだいちゃいちゃタイムはほぼ同じだったのかな?細かい部分覚えていない。で、この後は昨日は『キャッチミー岡っ引きさん』でしたが、この日は『古今to新古今』。いい、いいぞ!
この曲の後半ではスティービー・ワンダー『Sir Duke』へスライド。
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この曲はゴダイゴの『ビューティフルネーム』なのかな?と思っていましたが、この曲っぽさもありますね。昨日からキーボードを弾く池ちゃんはスティービーワンダーっぽいなーと思っていたので、我が意を得たり!という選曲でした。


この次、昨日は『アケチノキモチ』でしたが今日は『墾田永年私財法』。いい曲いっぱい持っているのは強いなー。
憲法セブンティーン』では昨日と同じく各メンバーのソロ回しがあり、とてもオレ得。
『刀狩りは突然に』ではツアーと同じく『ラブストーリーは突然に』へのスライド。毎回上手いなあ。
『きらきら武士』で本編終了。


アンコールの『狩りから稲作へ』ではB'zの『ultra soul』(稲トラソウル!)、米米CLUB『君がいるだけで』(頭の稲穂を指しながら「これが本当の米米CLUB」)ドリカム『LOVE LOVE LOVE』(ラブラブ稲を叫ぼう 稲を呼ぼう)と国民的大ヒット脱線。
やついいちろうさんの大稲穂様コーナーも昨日より上手くいき、失笑ではない大笑いになりました。まあ、どちらに転んでも面白いのですが。


終わったら21:30。昨日より15分も短い!曲数変わっていないのに何が違うんだろう。


途中のぐだぐだの部分がスリムになったのかな?全然分からなかったです。昨日も今日もずーっと面白かったです。


いやー、こんなに変えてくるとは。曲の差し替えならまだしも、メドレーの組み直しとかユザーンとのコラボとか、きちんと準備や練習が必要なネタをこの日のためだけに仕込んでくるとは!
同じミュージシャンのライブ連続2日間で2日目の方が感動するとは。今回のツアーを見ていない人からすると初日と2日目、どっちがよかったのかな?


笑った。感動した。笑いながら感動して涙を流す私がいました。まるで全盛期の松本人志のあの感じ。
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ミスチルでもサザンでも、アンチはいます。「知っているけど好きじゃない・嫌い」はどんな人にもいます。しかし、レキシにはいないんじゃないか?と本気で思っています。武道館できるクラスのミュージシャンでいちばん誰からも愛されているのでは。「知名度×好き度」ではNo.1なんじゃないか。「レキシ嫌いな人ゼロ人説」を「水曜日のダウンタウン」で立証してほしいです。


KATOKU

KATOKU

Vキシ(CD)

Vキシ(CD)

レキシ武道館ライブ2017に行ってきました!(10月10日)感想

武道館などもはや日常


レキシの武道館ライブに行ってきました。今年は何と2デイズ!レキシも大きくなったものよ。
今回は2デイズということで、これは2日間違うことをやるに違いないと決めつけ、2日間ともチケット取っちゃった。私、熱狂的なファンみたい!
というわけで今回は1日目のレポです。
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ネタバレですが、この日はツアーとほぼ同じ内容でした。
なので、今回のエントリでは私が行ったときのツアーと違った部分だけ書くことにします。そうしないとレキシのレポはいつまでたっても終わらないから。
ese.hatenablog.com
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オープニングの映像、『KATOKU』『大奥~ラビリンス~』までは一緒。『大奥』では後半にPerfumeの『ポリリズム』『チョコレイトディスコ』を挟んできました!先日対バンしたばかりですもんね。


『KMTR645』ではツアーと同じくイルカの投入がありましたが、武道館なので数が多い!
私、この日は2階席前側正面だったので、ステージもよく見えるしお客の様子もよく見える、とてもいい場所でした。皆さんが一斉に手を振る光景は、お客の私でもアガる!演者の皆さんはこんな光景見たらやめられなくなるよなー。なので、イルカの跳びはねる様子もとてもよく見えました。
ここでもツアーと同じく岩崎良美『タッチ』にスライド。曲を止めてお客に説教です。「イルカに夢中で曲聴いてないやろ!ディスクガレージ、イルカ回収!手数料ばっかり取りやがって」今日イチの喝采が出ました!w


「レキシのライブは曲数が少ないと言われるので、画期的な方法を編み出しました。みんな知ってるかなー、メドレーって言います」知ってる!
『妹子なぅ~RUN 飛脚 RUN~真田記念日』の3曲メドレー『飛脚記念日なぅ』もツアーと同じなのですが、このただ次の曲につなげるだけでなく、AメロからBメロで別の曲にさらにサビでまた別の曲にという細かい移り変わりは、いくらリハ済みとはいえ、すげえ。バンドメンバーの皆さん、あんたすげえよ。


『SHIKIBU』の後、MC途中でタブラの乗った台がステージ上に運ばれてきました。わあ、もう誰が出てくるか分かっちゃった。「2014年の武道館では秦基博、去年は松たか子さんというゲストが出てくれましたが、今回は唯一にしてスペシャルなゲストです、ニセレキシ!」知ってた!


ここから曲が始まるまでが長い!そしてめちゃ面白い!笑いすぎて顔が痛い。でも何も覚えていない!
初めて聴いた本家『Takeda'』ですが、タブラってすごいいい音するんですね。そしてユザーンってとてもタブラ上手いのですね。当たり前だ。
CD以上にグダグダの『Takeda'』を終え、もう1曲おねだり。おお、これは予想していなかった。ユザーンがタブラを叩くと、あれ、何だか聞き覚えのあるメロディが。これは『solt&stone』じゃないか!
後半ではニセレキシ(ユザーン)のタブラと蹴鞠Chang(玉田豊夢)のドラムのソロ対決があり、これがとってもよかった!「8小節の2ターン」とか、『フリースタイルダンジョン』みたいだな、と思いながら見ていました。


こんなに笑わせて、次の『最後の将軍』でしっとり聴かせるお館様、ずるいです。緩急がすごすぎて耳キーンなるわ。


元気出せ!遣唐使渡和久)さんとのグダグダでまた死ぬほど笑う。ツアーと同じネタが多いのですが、池ちゃんも渡さんも初めての掛け合いのようなやり取りをするのがすごいなー。渡さんは実際追い込まれているところがありますが。
で、散々笑わせて『キャッチミー岡っ引きさん』で盛り上げて次の『アケチノキモチ』でまたしっとり聴かせる緩急野郎。完全にお館様の手のひらで転がされています。


憲法セブンティーン』では各パートのソロ回しがあって、これも大好物。そして各楽器が弾きまくりの中「いっぺんに言われても分からない 聖徳太子じゃあるまいし」とオチるわけです。素晴らしい。
『年貢 for you』『きらきら武士』で本編終了。


アンコールでもツアーと同じ映像(やついいちろうと岡井ちゃんのグダグダな妖精コント)だったのですが、ラストの部分は「武道館に来ているみんな」と武道館バージョンになっていました。これ、撮るときから武道館公演は決まっていたのかな?


そして稲穂の妖精池ちゃん登場。『狩りから稲作へ』です。
曲の途中で何やら足音が会場に響きます。ズズーン、ぴょん。ズズーン、ぴょん。ダチョウ俱楽部のアレを私たちもやっていると、何と大稲穂様が登場!(画像探したけど見つからない!)
大稲穂様、高さ5メートルほどもあり、顔がリアル池ちゃんなので、怖い!『大日本人』を思い出しました。
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2014年のハニワ、2016年の大仏に続くデカモノはこれか!
キャッツの妖精やっつん(もしくはきゃっつん)と相変わらずのぐだぐだコントで楽しいひと時。やつい「そもそもリハで『大稲穂様登場後、フリー』ってそんなノープランで上手くいくわけねーだろ!」とぶっちゃけ。いや、これがいいんやで。


ラスト、オルゴールの箱に戻り(指は『T2』の「アイルビーバック」!)、大団円。と思いきや、スタッフの黒い幕で隠されながら箱の後ろ柄ステージ脇へハケる池ちゃん丸見え!ラストまでしっかり作りこまれたコントでした。


おしまい。18:30のジャストオンタイムで始まりましたが、終わったら21:45。長い!そしてメドレー3曲をカウントしても16曲。1曲当たり12分の計算。どーなっとる!w


でも、せっかくの武道館なのにツアー本編とほぼ同じなのね。せっかくの武道館なのにゲストはユザーンだけなのね(ユザーンは悪くないよ!とってもよかったよ!)。というのも正直な感想としてあります。
いや、違うんだ。もはやレキシにとって武道館は特別な場所ではないのでしょう。武道館も通常公演としてライブができるほど、レキシの基礎体力が上がったのです。そう思うことにしよう。


しかし、これが翌日のフリになるとは…。


■『不思議の国の武道館と大きな稲穂の妖精たち ~稲穂の日~』セットリスト
01. KATOKU
02. 大奥~ラビリンス~
03. KMTR645
04. 飛脚記念日なぅ (メドレー)
05. SHIKIBU
06. Takeda’
07. salt&stone
08. 最後の将軍
09. キャッチミー岡っ引きさん
10. アケチノキモチ
11. 憲法セブンティーン
12. 年貢 for you
13. きらきら武士
【アンコール】
14. 狩りから稲作へ
レキシ、武道館2daysに“大稲穂様”降臨「俺が一番楽しかった」 | ORICON NEWSより転載。


映画『エイリアン コヴェナント』 感想

登場人物全員バカ


映画『エイリアン コヴェナント』を見てきました。公式サイト↓
www.foxmovies-jp.com
この作品は『エイリアン』シリーズの前日譚で、『プロメテウス』の続編にあたります。私は『プロメテウス』はまったくはまらなかったのですが、本作はどうか。
ese.hatenablog.com


感想。ダメでした。
小見出しにも書きましたが、登場人物が全員バカなのです。宇宙飛行士ってエリート中のエリートしかなれないんじゃないの?どんなときだって理知的で理性的な判断・行動をするものではないの?
もともと宇宙飛行士にはそういうイメージがあり、さらに『オデッセイ』を見てからよりその意識を強めていたのに何だこれは。
ese.hatenablog.com
と思ったら、『オデッセイ』もリドリー・スコット監督作品じゃねーか!リドリー、どうしちまったんだよ。お前、そんな奴じゃなかっただろ。もっとまともな奴だったじゃねーか。


ホラー映画ではバカな登場人物が勝手な行動をすることで事態が悪化するのは定番で、お約束みたいなテンプレ行動です。なので本作もそれに従っているのだと思うのですが、でも宇宙飛行士はそんなにバカじゃないし自分勝手な行動しないよ!
●何か、良さげな星があるよ。行ってみよう。→行くな!
●トイレに行ってくる→死亡フラグ
●病人を隔離→でも開けちゃう→エイリアン拡散
●エイリアンを撃ち殺すぞ→船内で銃を乱射→宇宙船爆発
●嵐がひどいので星に近づけない→でも行く→行くなってば!2,000人の命を預かっているんだろ!


もうひとつ。宇宙についての描写がテキトーすぎ。謎の星に到着したら空気も重力も地球とほぼ同じでした。そんなわけねーだろ!百歩譲ってそうだとしても、どんな大気組成になっているか分からないから宇宙服着て行動するだろ!登場人物もバカだし映画の作り手もバカかよ。
宇宙で科学の常識を無視していいのはスターウォーズだけだよ。


さらにもうひとつ。アンドロイドの立ち位置が中途半端。この世界のアンドロイドはどれくらい意思や感情を持つ設定になっているのか分かりませんが、無意味なところで人間に寄せすぎ。役者が年をとったからアンドロイドも老化させるな。驚いたときに驚いた顔をするな。アンドロイド同士の闘いで喧嘩アクションをするな。肉体的に痛めつけるのとアンドロイドの機能停止を狙うのはまったく別ものだぞ。


最後に。主人公が魅力ゼロ。
このシリーズはリプリーから始まり毎回強い女性が主人公なのですが、本作のダニエルズ(キャサリン・ウォーターストン)はその魅力がまったくありません。終始マイナス思考でうじうじして何度も泣くしラストでは「レディに手を貸して」なんて言う。お前はこのシリーズ失格だ!いくらタンクトップ着ていてもダメ。私は認めない。
見た目もウーマンラッシュアワー中川パラダイスみたいだし。


そして何より、本作はエイリアンの話ではなかった!アンドロイドのデヴィッドとウォルター(マイケル・ファスベンダーの二役)の話でした。エイリアンは添え物。


この作品についてはいろいろ周辺情報があり、深読みもできます。
miyearnzzlabo.com
blog.imalive7799.com
でもね、作品中では何も語られていないしその深さにたどり着く面白さもない。作品に消化されていないのです。見ている私たちがそこまで作り手側の意図を忖度する必要はない。


このシリーズはまだ続く(しかも2本予定!)そうですが、やめようぜ。もしくはリドリー・スコットから権利を奪おうぜ。


映画『アウトレイジ 最終章』 感想

最終章(物理的に)


アウトレイジ 最終章』を見ました。公式サイト↓
outrage-movie.jp
私はヤクザ映画を全く見たことがないので他の作品と比べることはできませんが、『アウトレイジ』シリーズは面白い。詩集のような乾いた情緒が多い北野武作品において、このシリーズはエンタメ作品と割り切って作っている感じがします。


北野監督は数学が好きなので、構図もカット割りもスッパリ切ったり割ったりしているのがいい。あいつがこうしたらこっちはこうなるからそしたらこうして、という因果応報や裏切りの流れを作るのも上手い。
そしてこのシリーズの魅力は「エグい殺し方」にもあります。菜箸を耳に挿したり(「刺す」よりこっちの漢字の方が適切でしょう)歯医者の道具で口の中をめちゃめちゃにしたり首に縄を結わえて車で引っ張ったりバッティングセンターのボールを死ぬまで顔で受け続けたり。あーひどい。でも「うわーひどい」と思いながらちょっと笑いながら見ている自分がいる。多分北野映画の乾いた表現にあまり生々しい感じを受けないからでしょう。


さて、最終章。個人的にはイマイチでした。理由をいくつか挙げます。
①登場人物のヨボヨボ感
たけしさんを始めとして前作から出ている重鎮たちが皆さん高齢化して、おじいちゃんです。さらに西田敏行さんと塩見三省さんは大病を患ったので、見た目も弱々しくなっています。
なので、迫力がない。
西田さんは狡猾な演技でヨボヨボ感を「得体のしれない怖さ」に見せていましたが、塩見さんはもう体力がない感じがありあり。皆さんに立ったり動いたりさせない工夫が随所にあって見ていて泣けてきました。老人介護ヤクザ。
これは、たけしさんにもいえます。たけしさんは第1作目から活舌が悪くて迫力がなかったですが、これが回を追うごとにさらにひどくなっている。見た目も太ってしまい歩き方も年寄りっぽくなり、迫力がない。おじいちゃん。


②関西弁は関西人に
ピエール瀧、お前はダメだ。他の作品だとあんなに怖いのに、この作品では全編コント。なぜこんなに関西弁をしゃべれない人に関西弁でラストまで登場させるのか。オープニングで殺せよ。もしくは静岡出身の設定にしろよ。
あと、花田(ピエール瀧)の殺され方もダメ。爆発で顔がボーンとなるところを映してほしい。そこはチープな人形でもいい(そういう黒沢清的な表現方法をするとこの映画の基準がぶれちゃうか)ので、無様な姿を見せて欲しかったです。
ついでにいうと、花田の性癖ってそんなド変態じゃないですよね?単なるSMドM野郎なだけ。ここはその道の専門家に教えを請い、とても笑えないドM野郎な性癖を披露してほしかったです。そこで凄む花田。その落差が笑いになるのです。


③コマ不足
過去2作で重要な役どころがどんどん死んでいったので、残りにはカスしかいない。
大杉漣さんは「元証券マンの娘婿ヤクザ」という立ち位置なので怖くないのは仕方ないのですが、名高達郎さんや光石研さんは小物過ぎ。名高さんが山王会の会長なんて力不足も甚だしい。三浦友和さんの足元にも及ばない。
俳優たちの迫力不足でヤクザの怖さが全く足りません。


④殺し方がつまらない
上に書いたようにこのシリーズは「面白いエグい殺し方」も楽しみの一つなのですが、今作では大杉漣の生き埋め→車で轢くくらいしかない。あとは銃で撃つばかり。つまらん。


もちろん面白いところもあります。オープニングの花田(ピエール瀧)と大友(ビートたけし)の最初の出会い。「舐めてんのか!」「舐めてなんていねーよ!」ギャグボールぶら下げて何凄んでいるの?大友にも「十分楽しんだみたいじゃねーか」と言われています。ヤクザのメンチの切り合いがコントになっていている!
あと、ファーストカットで軽トラの後ろ姿を映して「あれ?車のナンバーが何か違うな」と思わせてそのままカメラがハングル語の看板をさりげなくフレームインさせることによりここが韓国ということを伝える構図。上手い。
そしてタイトル文字は毎回お馴染みの車を上から映したショットに文字を被せる。おお、アウトレイジだ!


でもやっぱり物足りないのよねー。マシンガンで撃ちまくるなんてもう何でもありじゃん。裏切りとか工作とか作戦とか関係ないじゃん。


ラスト、大友が自殺してエンド。ラストカットで大友が死んだ様子を映していましたが、これいる?「確実に死んだからもう次はないよ」という宣言なのかな?
北野監督はインタビューで「いくらでも続けられるけどきりがないので終わらせた」と言っていましたが、そうでもありますがそれ以前に大友がおじいちゃん過ぎてもう続けられないでしょう、物理的に。


このシリーズのファンとしてはきちんとお話を畳んでくれてよかったですが、作品単体の評価としてはここに書いたように厳しいものがあります。うーん、残念。


アウトレイジ [Blu-ray]

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RHYMESTER『ダンサブル』 感想(楽曲編その3)

結論、いいアルバムってこと


前回までのお話↓
ese.hatenablog.com
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8.Diamonds feat. KIRINJI
キラキラしてる!RHYMESTERなのにこんなにキラキラしているのはミニアルバム『フラッシュバック夏』収録の『into the night』以来。
KIRINJIとはKIRINJI『The Great Journey』でRHYMESTERが客演したので今回はそのお返しですね。
トラックは音がたくさん入っているけどごちゃごちゃせずポップに聞こえるこの感じ、まさにKIRINJI印です。


この曲はふたりとも歌詞がいい。
まずは宇多丸さん。オープニングショットで街の雑踏を描きます。多くの人が歩いている風景が見えるでしょ。で、「ライツ、キャメラ、アクション」で主人公である「僕」にぐーっとカメラが寄ってピントが合ってくる。その他大勢の一人だった「僕」に命が吹き込まれた瞬間です。私はアニメでの映像を頭に浮かべながら聴いています。
これが歌詞でしょ、これが表現でしょ。


続いてDさん。トラックがメロディアスだからか、この曲では韻よりも内容重視の歌詞です。

偏ってたっていいんじゃないですか? その偏りが人を幸せにするんだと思うんです
嘲笑(わら)う者はきっと羨んでる 何もないんじゃないかと悩んでる
ゾンビ映画がお好きだなんてステキですよ!

私が女子ならDさんにこんなこと言ってもらいたいなあ。しかしインタビューを読むと子供に向けて歌っているそうで。なるほど、確かにそうとも読めるな。
あと、「お好きですか?」「苦手ですか?」のコトリンゴさんの声、超ステキ!


サビの「そのブリリアンス煌いて」とか「瞳の透明度はきっとフローレス」なんかはKIRINJIとの共作だからこそ。宇多丸さん曰く「俺らが言ってたら超気持ち悪いよ」。確かにその通り。
ここ、ライブでは私たちが歌うのかな?


曲のテーマは「好きなものがあることは素晴らしい、それは他人に左右される必要はない、それがあなたの世界を輝かせる」というもの。賛成です!


9.カミングスーン
今作の実質ラスト曲。アコギのジャッジャッという軽やかなリズムの刻みが気持ちいい。
曲のテーマは「巡りくる季節」「また会おう」と「未来はもっとより良くなる」というもの。
40代後半のRHYMESTERが「オレ史上ベスト今更新中さ」と歌える強さ。しかもそれが強がりではなく、実際こうして最高を更新しているという事実。強いぜ。


この曲もライブでは「オッオー!」の合いの手が必須ですな。


10.マイクの細道
ボーナストラック的な一曲。アルバム全体編のエントリにも書きましたが、この曲だけ「ダンサブル」というこのアルバムのテーマにそぐわない。
ドラマ主題歌でシングルでもあるので入れなきゃいけないとなるとここしか置き所がないしアルバムを締めるという意味ではこの場所でいいのかもしれませんが、単純に曲の強さが足りない気がするんだよなー。


歌詞の内容はいいし頷くのですが、快楽性が足りない。それは曲のテンポのせいかサビの弱さのせいか。


ただ、ラストの「熱狂まであと5秒 4、3、2、1」という締めのフレーズは応用性があるのでライブで上手く使えば映えるでしょう。私には思いつきませんが、多分ライムスチームは素晴らしい使い方をしているはずだ。


終わった。全曲書いたぞ。後半になるにつれて疲れてきて熱量も文章量も減っているな…。でもどの曲も大好きなのです!
アルバムを多く作ると曲が増えてきて、アルバムツアーでは全曲披露してもその次ではどれかを落とさなければならない。そして新曲と定番曲とレア曲でライブが構成されていくのですが、こんなに名曲・ライブ映えする曲が増えちゃうとどの曲を落とすか困っちゃいますね。まさにうれしい悲鳴。
あー、ライブが楽しみだ。大箱セットと小箱セットでセトリも演出も違うそうなのですが、私は大箱セットには行けない…。12月になってからでいいので、アンコール大箱セットをやってもらえないかなー。見たいよー!