やりやすいことから少しずつ

好きだと言えないくせして子供みたいに死ぬほど言ってもらいたがってる

映画『万引き家族』 感想

悪い人ではない、ダメな人なのだ


映画『万引き家族』を見てきました。公式サイト↓
gaga.ne.jp
是枝監督作品で見たことあるのは、『誰も知らない』『空気人形』『奇跡』『そして父になる』『海街diary』『三度目の殺人』です。


さて、本作はカンヌ映画祭パルムドールを獲ってしまったため、映画を見ない人にまでこのタイトルや内容についてやいやい言われております。君たち、映画見た?見てないでしょ。ただ是枝監督を嫌いなだけでしょ。もし映画を見たうえで「万引き肯定映画だ!」と言う人がいたら読解力ゼロなので無視して構いません。
この映画は万引き描写はありますが肯定的ではないし、悪人を描いた作品ではありません。悪人ではなく、ダメ人間です。


是枝監督は、これまでもずっと「家族とは何か」「何をもって『家族』なのか」「善悪ってそんな簡単に白黒つけられる?」「それぞれの人にそれぞれの事情がある」ということをテーマに作品を作っていますが、本作はその集大成といっていいのでは、という出来でした。


(本作は役の名前はいろいろややこしいので、役者名で書きます)
万引きは悪いことです。この作品でも「食うに困ってやむを得ず」という状態ではありません。転売目的で釣り竿盗んでいるし。
しかし、虐待されていた子供を見かねて家に連れてくる優しさもあります。人間は多面的です。
とはいえ、この家族(特にリリーさん)は中長期的な視点・考えを持っていません。虐待はかわいそうだけど、本当に連れてきたら誘拐だし、お金がないからと子供を学校に行かせないとか葬式出さないとか、その場はよくてもその後はよくない。文字通りの「その日暮らし」です。


ネグレクトから救った子供は世間から見れば誘拐だし、元の家庭に戻ればめでたしめでたし。しかし、戻された子供は再び虐待を受ける。その子にとってどっちが幸せなんだろうね。
こういうときは児童相談所に知らせるのがベターなのでしょうが、この家族はそういうことを(多分)知らないし、面倒だからやらない。
この映画は、「こっちが正しい・間違っている」と断ずることをしません。ラストの警察の取り調べで正論を突きつけられる安藤サクラは「確かにそうだけど、そうかなあ」「やったことは間違っているけど、間違っているのかなあ」とぐちゃぐちゃした感情をさらけ出します。
ここ、ものすごく素晴らしい演技でしたが、これは安藤サクラには台本渡さず、監督がその場で何を訊くのか池脇千鶴に指示していたそうです。それであんなセリフ・表情・演技ができちゃうの!監督の手腕と役者の技量がスパークしてできた素晴らしいシーンでした。


神は細部に宿る。リアリティはディテールに宿る。もので溢れた家の中、「食卓を囲む」ではなくそれぞれが勝手に食べている旨そうで安そうな料理、食べ方や箸の持ち方の汚さ、デザイン無視で暖かい・涼しいの機能性のみの服装、古く汚い風呂場。貧しい家庭ってこんな感じ、ととても納得するビジュアルでした。


説明セリフはまったくなく、リアリティあるやり取りの中からそれぞれの関係性が見えてくる見事な脚本でした。『海街diary』で気になった「アレ」というセリフは本作でもちょいちょい使われており、これもリアリティを増す効果を生んでいました。


この作品は「この家族ってどういうつながりなの?」「この家族、どうなっちゃうの?」というミステリーの側面もありますが、子供の成長というのも大きな物語の推進力。
物語序盤、父親との連係プレーで万引きを楽しんでいた城桧吏(じょうかいり)君は、妹(佐々木みゆ)ができて素直に受け入れられない。その後徐々に「きょうだい」になっていき、兄としての威厳(上手く万引きができるんだぞ)を見せつけたり、一緒にセミ取りをしたりします。しかしある日駄菓子屋の主人(柄本明)に万引きを咎められ、罪悪感を抱きます。あれ、今までしてきたこれって、悪いことなのか?「お店の商品はまだ誰のものでもない」「お店が潰れなきゃいいんじゃない」という「親から教わった自分内倫理」も、父親は車上荒らしをするし、駄菓子屋は閉店する。あれ、自分のしてきたことって、悪いことなのか。そして妹をかばって万引きをして怪我してしまう。
これをきっかけにこの家族は崩壊するのですが、こんなのは遅かれ早かれこうなるのは自明なので、彼が悪いわけではない。
施設に預けられた桧吏君はやっと人並みの勉強をすることができ、成績も上位(クラスで8位と言っていた)になります。家庭って、教育って、大事。
11歳なのに小学2年生の国語の教科書しか勉強するツールがなく、学校に行っている子は「家で勉強ができないから」と教えられ、「忌引」の字が読めない(これは小学生だったら無理か)から万引きのせいで駄菓子屋が閉店したと思ってしまう。教育って、大事。
そして何だかこの間に成長している。顔つきも変わって背も伸びている。リリーさんと別れ、バスの中でリリーさんを見ながら「父ちゃん」と呟く桧吏君。うわーん、途中のフリをばっちり回収してるじゃーん。泣くじゃーん。


もう一人の子役、佐々木みゆちゃん。家に連れてこられた当初のおどおど感が、徐々にほどけていく。髪の毛を切った頃に完全にこの家族の一員となって、子供らしい快活さを取り戻す。
いやほんと、是枝監督の子役演出は毎回すごすぎる。演技が上手いではない、アドリブが上手いでもない、ドキュメンタリーじゃん!これは、空気づくりとそれを受ける周りの役者陣のナイスアシストのおかげでもありますね。
ラストのひとり遊びから外を眺める場面、あそこは「外には別の世界がある」ということを知っている、ということなのでしょうか。ラストカットの直前で少し動いたので「もしかして飛び降りちゃうの?」と少し思ってしまいました。


その他、役者陣は見事のひと言。皆さん優勝!横綱!王様!みたいなメンツの中、安藤サクラが天下統一を果たしましたね。いやほんと、全員素晴らしい。
それでも、松岡茉優のおっぱいに触れないわけにはいかない。この子、こんなけしからんおっぱいしてたのか!あんなに細いのに、こんなけしからんおっぱいしてたのか!けしからん!
JKリフレのお店でスカートをたくし上げてオナニー演技をする場面でカメラがすっと動いてパンツを映さない撮り方には「こらー!」と思いましたけど。


主要キャストが素晴らしいのはもちろんですが、脇で出ている役者も素晴らしい。心に傷を負った池松壮亮、外面のいい(見た目もイケメン・美人)の山田裕貴片山萌美、正しく正しい高良健吾池脇千鶴、皆さん素晴らしい。
ちょっと話は逸れますが、私、片山萌美さんは素晴らしい女優さんだと思うのですが、いかんせん美人すぎて背が高くておっぱいが大きくてくびれがあって、セクシーすぎる。小池栄子と同じ「エロスが強すぎ問題」があってこれが役者として足を引っ張っているような気がしてかわいそう。


過去の是枝作品よりは物語に動きがあるし着地もしっかりしているのでエンタメ性はありますが、それでも善悪どちらにも寄せないという描き方が「泣けなかった」「感動しなかった」という感想も生んでいるようです。
いやあのね、勧善懲悪や号泣シーンなどの分かりやすさないとダメなの?「泣けなかった=感動しなかった」ではないよ(同様に「泣いた=感動」でもない)。監督が描いたこの物語から、どう思うかはあなた次第です。感じ方まで指示されないとダメなんて、エンタメ含む「文化インポ」ですよ。


とにかく映画館で見てください。説明はないけど分かりやすい、分かるけどレイヤーは幾層にも渡り、重層的に楽しめる、素晴らしい作品です。


是枝作品エントリ↓
映画「誰も知らない」 感想 - やりやすいことから少しずつ
映画「空気人形」 感想 - やりやすいことから少しずつ
映画「そして父になる」 感想 - やりやすいことから少しずつ
映画「海街diary」 感想 - やりやすいことから少しずつ


↓公式サイトや小説ではこのフォントですが、映画では単なるゴシック体なのはなぜなんですか?

万引き家族【映画小説化作品】

万引き家族【映画小説化作品】

映画『ランペイジ 巨獣大乱闘』 感想

ロック様、範馬勇次郎江田島平八


ランペイジ 巨獣大乱闘』を見てきました。公式サイト↓
wwws.warnerbros.co.jp
キングコング 髑髏島の巨神』とユニバース化していると思ったのですが、してないのね。残念。


事件は現場で起きているのかもしれませんが、映画は会議室で生まれます。
「何か面白そうな企画ないかな」
「動物たちが巨大化して街を破壊するのはどうすか」
「いいねえ。どうやって巨大化させる?」
「悪い企業が新薬製造の名のもとに実験をしていて、失敗します」
「いいねえ。どの動物を巨大化させようか」
「やっぱりゴリラは外せないっすよね。あと、オオカミとワニはどうすか」
「いいねえ。でもさ、それだと棲んでいる場所バラバラじゃん。どうしよ」
「宇宙から変身物質を落としましょうか」
「いいねえ。でもさ、バラバラの動物をどうやって一か所に集めるの?」
「電波でも出しとけばいいんじゃないすか」
「いいねえ。あとはいろんな動物の特長をDNAに配合したとか言っとけばいいよね」
「そうっすね」
完全に妄想ですが、たぶんこんな感じで決まったんだと思っています。それくらいこの映画はテキトー。ハリウッド超大作だからCGバッチリで画はすごいけど、お話は私が子供の頃に見ていたウルトラマンレベルのずさんさ。
しかし、これを「アリ」にしているのがロック様です。彼がいればどんな無理も無茶も不条理も通ります。この世界観をアリにしているのは完全にロック様のフィクション感。
悪徳企業のコントのような理屈もいいんです。この映画はそういうところに注文を付ける作品ではありません。巨獣が大乱闘してすげー!と思うための映画です。考えるな、笑え。


●結束バンドで捕まったロック様→えいっと簡単に引きちぎる
●乗っている飛行機が墜落したロック様→パラシュートを着けて簡単に脱出
●銃で腹を撃たれたロック様→「急所を外したから大丈夫だ」でノーダメージ
●壊れたヘリコプター+ビル崩壊→「危なかった」でノーダメージ
●軍隊も太刀打ちできなかった3体の巨獣と格闘→互角の勝負
いいんです。だって、ロック様だから。既にロック様はセガールを超え、範馬勇次郎江田島平八レベルの超人に達しているのです。


ちょっとだけ注文をつけさせてもらうと、今回ゴリラとオオカミとワニが巨大化して、いろいろな動物のDNAの作用により変態していきます。オオカミはハリネズミのDNAから針飛ばし攻撃を、そしてコウモリのDNAから滑空までできるようになります。ワニはもう何だか分からんほど変態して強く悪そうな外見になります。
しかし、ゴリラのジョージはただ巨大化するだけなのです。この映画は途中から「正気に戻ったジョージがロック様と共闘して2体の巨獣をやっつける」というお話になるので、狂暴時代(悪ジョージ)と善良時代(善ジョージ)の見た目が分かるといいのになー。毛が赤くなるとか何でもいいので、何か目印があった方がいい。そうしないと事態解決後、ジョージは殺処分しないでおこうと世論は思ってくれないでしょう。ついでに、ラストでジョージがビルに残った人を手のひらに乗せて助けるという描写がありますが、あんな大暴れしたゴリラの手の上に乗る人いねーよ!一般人はジョージが善ゴリラになったこと知らないから。
おっといけない。この作品にツッコミは無用だった。


何も考えずにゲラゲラ笑いながら見る分にはとても面白い映画でした。金曜ロードショーとかで放送すればいい。ただ、やはり『キングコング 髑髏島の巨神』に比べると何段も落ちる。それは、怪獣映画に対する愛が足りないから。オタク濃度といってもいい。この机上の空論作品を「アリ」にしているのはロック様のおかげで、作り手の腕ではない。だから笑えるけど熱狂はしない。
やはり愛だろ、愛。


キングコング 髑髏島の巨神』エントリ↓
ese.hatenablog.com


カバー曲は、その曲とセックスして生まれた子供。『アダムとイヴの林檎』感想

カラオケはAVオナニー


椎名林檎トリビュートアルバム『アダムとイヴの林檎』を聴きました。林檎さんはベストアルバムを出さない人なので、セルフカバーとかコラボベストとかをいろいろ出していますが、ようやくトリビュート盤の到着。


これが、いい。


私は、トリビュートというかカバー曲は、「その曲とそのミュージシャンがセックスして生まれた子供」という感覚を持っています。双方の要素が混ざって生まれた新しい子。ただし、単なるカラオケみたいなカバーは、AVを見ながらオナニーしているだけ。子供は生まれません。


椎名林檎さんは、私はデビュー曲の『幸福論』(シングルのポップスの方ね)から聴いていて、2ndシングル『歌舞伎町の女王』で「こいつはすげー!本物だ!」と確信したら、3rdシングル『ここでキスして』で世間でも爆発したので、「ふふふ、ようやく気付いたか」と嬉しく思った思い出。
この頃はともさかりえに提供した曲などもチェックしていて、「こんな名曲を他人に渡すなんて!」と思いながら聴いていました。
1stアルバム『無罪モラトリアム』は捨て曲なしの大名盤、2ndアルバム『勝訴ストリップ』は『本能』『ギブス』『罪と罰』のシングルヒットがあったので世間的にはこっちの方が売れましたが、個人的にはアレンジがごちゃごちゃしすぎてオーバープロデュースに感じました。
3rdはタイトルがダメだ。こんなとこで中二病的なこじらせを出すんじゃない。『三文ゴシップ』『日出処』はもう大人の林檎嬢なので、上質な音楽を聴く感じで接しています。そして、最近の彼女の声はキンキン成分が強まっているようで、モスキート音も聞こえない中年の耳にはちょっと痛い。
というのが私の林檎ヒストリー。


では、収録曲の感想を書いていきます。
1.theウラシマ'S / 正しい街
この曲は「故郷を離れ東京に出てきた愛憎入り混じる情念」を感じる曲だったのに、草野マサムネさんが歌うと「切なさ」しか感じない。声の力ってすげえ。
あと、この曲はリズムとコード進行が気持ちいい。サビのキーはEなのにAメロの出だしはEmとか変なコード展開ですが、次の小節の頭を食うところや半音ずつ下がる進行など、ギターで弾いていて楽しいです。ぜひ皆さんも弾いてみましょう。


2.宇多田ヒカル&小袋成彬丸ノ内サディスティック
椎名林檎の盟友宇多田ヒカルが、今の彼女イチオシの小袋さんとデュエットでこの曲。宇多田さんなので、何も言うことはない。リズムの1音1音まで全部気持ちがいい。そして、小袋さんもすげーいい声しているのね。初めて聴きました。
この曲はリズム主体の曲で、歌詞もリズムを強調するための言葉遣いや歌いまわしがされているのに、このバージョンでは「池袋」とはっきり発音したりして、違うアプローチですね。このアレンジならこれでいいのか。最初聴いたときは違和感があったけど、もう慣れた。


3.レキシ / 幸福論
イントロとアウトロに入っている「幸福論」という呟きは、キーボードの渡さんでした。隠し撮り。



これはアルバムのパンク版ではなく、シングルのポップス版のカバーですね。うん、とてもレキシサウンドですね。今後レキシのライブで歌ってもいいですよー。


4.MIKA / シドと白昼夢
MIKA、存じ上げません。ごめんなさい。フランス語でボサノバタッチなアレンジになると、もう完全に別の曲ですね。こういうのがカバーの醍醐味。



5.藤原さくら / 茜さす帰路照らされど・・
藤原さくらさんは聴いたことがなく、勝手に「ビジュアル売りの実力不足だろ」と思っていた(失礼)のですが、いいですね。
ジャズなのにエレクトロ。選曲の勝利と富田恵一アレンジの勝利ですが、これはチーム藤原さくらの勝利なのだ。


6.田島貴男(ORIGINAL LOVE) / 都合のいい身体
このアレンジを上手く言い当てる言葉が出なかったのですが、このアルバムの特設ページを見たら60’sジャズロックだそうで。なるほど。
シンプルな編成ですが、よく聴くとグルーヴ感があっていい。そしてラストの田島さんのロングトーン!ここ、すげえ!


7.木村カエラ / ここでキスして。
カエラさん、歌上手くなったね。高音もばっちり出ていて素晴らしい。
でも、やはり「情念」が足りない。この曲でカエラは亀甲縛りをしていない。幼いころからずっとカースト上位にいて、ただ「林檎ちゃんすげー」のファンではカバーしきれないのだ。


8.三浦大知 / すべりだい
これは完全に選曲の勝利!大知君、よくこれ持ってきたな。偉い。
このカバーだと「ダンス三浦大知」ではなく「シンガー三浦大知」を堪能できるのでよい。
イントロのビートが何だか不穏なズレを感じるのは気のせいですか?ビートとシンセでほとんど構成されているシンプルなアレンジもよい。
そして、久しぶりにこの曲を聴くと、歌詞が素晴らしい。失恋を引きずる女性目線の曲ですが、若い恋愛を滑り台のある公園の遊びのようだと表現していて(しかもそれを直接書かない)、未練と強がりを描いている。
どこもいいのですが、特にラストの

こだわっていると思われない様に
右眼で滑り台を見送って
記憶が薄れるのを待っている

なんて、すごくないですか?これ、10代の女の子が書いた詞かよ!


9.RHYMESTER / 本能
RHYMESTERが『本能』をカバーすると聞いて、原曲の激しい感じをもっとアッパーにした曲になるのかなー、なんて勝手に想像していたのですが、出来上がってきた曲はダークでドープでダーティーな音像でした!攻めるねー。
Mummy-Dは林檎さんの『三文ゴシップ』で『流行』と『尖った手口』の2曲に参加しているので、その縁ですね。もっと遡れば、Dさんがマボロシ名義で活動していたときに『あまいやまい』で共演しています。
宇多丸さんの「まるであの日ガラス叩き割ったナース」はまさにこの曲のMVの林檎さんですね。こういう引用がヒップホップの面白さ。
普段ラップを聴かない人たちはこういうのどう感じるのかなー。RHYMESTERはリリックも聴きとれるしフロウも分かりやすいし初心者にも接しやすいラップだと思うのですが、いかが?


10.AI / 罪と罰
これ、めちゃめちゃよかった!原曲超えたよ。
ゴスペル風味のアレンジが曲にもAIのボーカルにもバッチリはまっていて、とてもよかったです。


11.井上陽水カーネーション
この人が歌えば、どんな曲もこの人の曲になる。どんなアレンジを施そうが、この人の曲になる。
でも、さすがに歳取った声になってきましたね。それでもこの艶は誰にも出せない。


12.私立恵比寿中学自由へ道連れ
「ナーメテーター映画」というジャンルがあります。宇多丸さんのラジオ『タマフル』で発案・命名された「舐めていた相手が実は超強かった映画」のことなんですが、今回のアルバムでの「ナーメテーターカバー曲」は完全にこれ。
元々、原曲はそんなに好きではなくて、さらにアイドルも聴かないのでエビ中のこともあまり知りません。
それが、これはまるでエビ中のために作ったような完全アイドルソングじゃないか!うっすらコールの音も入っていて、機能性もばっちり。「道連れしちゃうぞ」なんてキラーフレーズも入っているし、完璧じゃないか。


13.LiSA / NIPPON
あくまで個人的な感想ですが、私、この方の声が超苦手です。アニソン出身歌手がロックを歌うあの感じがとても苦手なのです。ごめんなさい。


14.松たか子 / ありきたりな女
ラストは松たか子。『カルテット』つながりですな。『アナ雪』以降、こういうオファーが多いのかな。別にミュージカル女優ってわけでもないのに、そういうイメージがありますね、最近。
松さんの声は母性が溢れているなー。



というわけで、どの曲も素晴らしかったです。「あの曲がこんな風になっちゃうの!」「確かに林檎さんとこの人の両方の要素感じる!」というトリビュートの楽しみ方としてとてもいいアルバムでした。
普通、シンガーソングライターの曲はメロディの動き方とかコード進行とか歌いまわしのクセなどの「その人節」があって、他人が歌っても「やっぱりあの人の曲だなあ」と感じるものですが、このアルバムではそういうことを全然感じませんでした。林檎さんは自作自演家ではありますが、それ以上に作曲者やプロデューサーの立ち位置にいる人なんだな、ということを感じたアルバムでした。


アダムとイヴの林檎

アダムとイヴの林檎

富山の旅2018、初夏

家族旅行をしてきました。行先は富山。
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山育ちなので海を見るだけでテンション上がる。
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宇奈月駅からトロッコ列車に乗ろう。
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思った以上に立派な駅ですな。
では、いざ乗車。
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私が乗ったのは安い方の車両なので、窓はありません。この日は天気でよかったけど、雨の日は辛いだろうな。
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水がエメラルドグリーンでとてもきれい!そしてお地蔵さんもいた。
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途中、いくつか駅があって降りればまたそれぞれ楽しいところもあるのでしょうが、ここは片道だけで80分くらいかかるので、さすがに降りてはいられない。降りる人はここで一日過ごすのかな。
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降りてから撮ったトロッコ列車。こういう車両です。景色は見放題ですが、5月後半の晴天でも結構寒かったです。もう1枚羽織るもの必要でした。
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さあ、着いたぞ!いい天気!
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天気がいいと、それだけで写真も映えるねえ。途中までしか行けずに残念。
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足湯があるぞ→やってなーい!
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このビジターセンターについて私は何の知識もないので完全に決めつけで書きますが、ここは市や県が建ててその後何の工夫も手入れもしていない、お役所仕事そのもののつまんない場所でした。来る人を楽しませようとか儲けようという気がない。ただの建物。ダメ。
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さて、帰ろう。
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結構標高差ありますね。それでも、欅平もそんなに高くない。私の地元が山だから。
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駅に足湯がありました。真ん中が仕切られていて、駅利用者も外部の人もどっちも利用できます。これ、いいね。
そして、足湯パワーすごい!数分足を入れていただけなのに足が軽い!足湯ってすごい。


そして宿に着いてチェックインして温泉入って美味しいごはん食べて飲んで温泉入って飲んで寝て起きて温泉入って美味しい朝食食べてチェックアウトしたのですが、家族旅行のためこの間の写真はいっさいない。普段同年代の人と一緒にいると何も気にせず写真撮りまくるけど、年配の人(親だけど)と一緒だとあまり写真撮らないものだな。
旅行でも何でも、写真よりも心の記憶に残せという人いるけど、写真がないと記憶にも残らないので私は写真撮りまくりたい派です。


2日目。
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瑞龍寺は以前来たことありますが、今回来たら補修工事中でした。
ese.hatenablog.com
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いやー、晴れって素晴らしいですね。


お次は高岡大仏。
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相変わらずオーケンっぽいお顔(のヒビ)。
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いつの時代も姑はクソ。


続いて高岡古城公園
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城といっても城跡で、ひたすら広い公園でした。
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絵馬、こんなにポップでいいのか。
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君が代』の「さざれ石」だって?と思ったら歴史が浅い!
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この広い公園の中には動物園もあるのですが、お休みでした。残念。


帰りましょう。
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やっぱり海が見えると撮っちゃう。
今回は家族旅行でしたが、私の親もまあまあ高齢になってきたので、こういう泊りがけの遠出は後何度できるのかな。「親と旅行したいな」とは全く思わないけど、いつかはしたくてもできなくなるものですから、行けるうちに行っておいた方がいい。また、来年にでも。


るるぶ富山 立山 黒部 五箇山 白川郷’19 (るるぶ情報版 中部 5)

るるぶ富山 立山 黒部 五箇山 白川郷’19 (るるぶ情報版 中部 5)

スヌーピーミュージアムに行ってきた

私にも「カワイイ」成分はあった


六本木にあるスヌーピーミュージアムに行ってきました。
www.snoopymuseum.tokyo
スヌーピーのことは何も知らない(スヌーピーとチャーリーブラウンしか知らない)のですが、もうすぐここは閉館しちゃうというので、行ってきました。
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入る前から映えるスポットだらけ。分かってるねえー。
土日だから混んでいるかなーと思っていましたが、予想以上の混雑ぶり。当日券では夕方以降でないと入れない状況でした。前売り券買っておいてよかったー。


入場しましたが、私はスヌーピーのこともピーナッツのことも何も知識ないので、何も書くことがない。というわけでひたすら写真を貼ってお茶を濁そう。ここは一部を除いてほぼ撮影可能。分かってるねえー。
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↑これ、『ピーナッツ』のマンガを並べて作ってあるのですよ。すげー!
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↑穴を覗くと可愛いイラストが。先日行った「MJ FES(みうらじゅんフェス)」では穴を覗くとみうらさん(の人形)がエロスクラップを作っていました。この差!
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↑これ、何となくあだち充っぽい。


スヌーピー、可愛い。私の心には可愛いという機能は付いていないと思っていたのですが、可愛いね。ネタは哲学的だったり毒づく作品もあるのですが、それはおいといて、可愛い。簡単な線で描かれているように見えますが、簡単ではない。あれが少しずれるだけで可愛いは崩れてしまう。可愛いが繊細で可愛いは無敵だ。
誘ってくれたおこじょさん、ありがとうございました。