やりやすいことから少しずつ

好きだと言えないくせして子供みたいに死ぬほど言ってもらいたがってる

大阪和歌山の旅2021、秋。(その2)

旅は駆け足


前回までのお話。
ese.hatenablog.com
朝。早起きしてまず温泉。お次は散歩。
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朝の海は美しい。朝の白浜も美しい。
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朝食も美味しくいただきました。
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食べ終えたら日が昇っていてこんなにまぶしい。お日様の力はすごい。


出発!
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天気がよいと私の腕前×数年前のスマホ×無加工でもこの美しさ!コントラストの強さよ!
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ここは洞窟があるので行ってみよう。
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こんな洞窟でもハロウィンには乗っかります。
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ここはエレベーターで地下に下りるのですが、表記が「地上⇔洞窟」というシンプルさ。
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「十像岩」だそうですが、見える?言ったもん勝ちじゃない?
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これはすごい。神話の眉唾な話ではなく2018年というつい最近なのがすごい。実際、風でごろんごろんと動いてきたのかな?こんな大きな岩が?この時代になっても不思議な現象があるというのはいいことだ。
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上手く写真撮れませんでしたが、岩の穴から水がぴゅーっと出てくるのが潮吹きみたいだ、ということです。潮吹きはともかく、波が押し寄せて水しぶきがどかーんとなるのは見ていて気持ちがいい。


洞窟から出て、山へ行こう。
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いい景色!天気がいいと写真も映える。
着いたのは
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高野山です!
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ここはお墓がたくさんありまして、様々な企業のお墓もあるのですが、ここに埋葬されているのはどういう人なのですか?
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紅葉も美しいぜ。
以下、写真をだらだらと貼っていきます。
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昼食を食べよう。
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さすが有名店なので大勢の列。30分くらい待っていざ入店。
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高野豆腐!美しいぜ!そして美味しいぜ!


高野山は広すぎて、とても数時間では回りきれません。私たちもほんの数カ所ちょいちょいと見ただけで、とても「高野山を見て回った」とは言えないようなつまみ食いでした。いつか丸一日かけて…と思いながら、和歌山遠いしなーと思ってしまう私がいる。


大阪に戻ろう。
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東京タワーにしろスカイツリーにしろ、高い建造物は上りたくなるけど、実際上ると景色を見るだけなので「ふーむ」となってしまうなー。
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スパワールドで風呂&夕食。
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お好み焼き、ネギ焼き、モダン焼き。美味しかったけど、数年前に大阪で食べたお好み焼きの方が美味しかったなー。ファーストインパクトの差かな?
スパワールドのお風呂は、正直広すぎて落ち着かなかったです。どのように過ごすのがいい楽しみ方なのかなー。


翌日。ああ、旅も最終日。
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朝イチの回でなんばグランド花月。メンツもいい!
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下手一番端っこの席でしたが、結構前方だったので十分見えました。
簡単感想。
①おいでやすこが
安定のおいでやすこがネタ。小田さんもっと絶叫して!
もりやすバンバンビガロ
大道芸。単なる大道芸(もちろん上手い)だけど、その辺の公園でやるよりは儲かるのかな。お笑い芸人という感じではなかった。
③和牛
水田だなー!ナツメグないの?
月亭八方
エッセイのような落語、というか語り。新作でも古典でもいいのできちんとした噺を聞きたかったなー。それでもこんな日常話を「聞かせられる話」にするのは話芸のなせる技。
銀シャリ
野菜には「ん」が付いている&濁点が付いている。お客さん参加型の「これぞ劇場の笑い」でした。サイコー。
フットボールアワー
後藤の話の持っていき方がわざとらしく強引で「これぞ後藤」でした。
オール阪神巨人
漫才は間と呼吸。その神髄を見た。このコンビはボケツッコミはっきりしてないのね。
⑧新喜劇
すっちー座長の回。すっちーは上手いなー。これも間と呼吸。乳首ドリルはありませんでしたが、とても面白かったです。


もうあまり時間がない。駅へ急げ。
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駅構内の北極星でオムライス。美味しかった!
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蓬莱の551も買ったぞー。でも匂いが気になるので新幹線では食べられない。チルドを買って家で食べましょう。
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さよなら大阪。駆け足でしたが楽しかったです。次回は食べ物大当たりを引きたい!
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晴れているので富士山見るぞーと張り切っていたのに、見えず…。残念。


ああ、もう戻ってきてしまった。3泊したけど初日と最終日は午後から移動のみで高野山も駆け足だったので何だかあっという間でした。高野山は2日間くらいかけてじっくり見たいけど、アクセスがよくない。那智の滝も見たかったけどアクセスがめちゃ悪い。次回は三重・和歌山の旅で回ろうかな。
翌日は朝6時半から夜11時まで選挙事務でした。そして週明けに職場に行ったら机の上がすごいことになっていました。これが現実。
でもその現実を忘れるために旅に行くんだよね!!!


大阪和歌山の旅2021、秋。(その1)

旅は晴れたら8割成功


大阪と和歌山に行ってきました。
本当は別の場所にもっと長く旅行をする予定だったのですが、衆議院選挙が当初予定より前倒しになってしまい、その日は仕事をしなければならないため行けなくなりました。岸田めー。というわけでちょっと短縮バージョンで急遽新プランを考え、大阪と和歌山に行くことにしました。


初日。仕事を午後からお休みにして出発。この日はひたすら移動。東京から新大阪まで2時間半。もう日も暮れて富士山も見えないし本も持ってきてないからやることがない。寝ればいいけど眠れない。久々に「暇を持て余す」を経験しました。
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着いたどー!
もう時間も遅いので、食事も駅ナカで済まそう。
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フードコートなのでタレが缶じゃない。これじゃ二度漬けし放題じゃないか。いいような残念のような。
食べたら、思ったよりも具は小さく衣は厚い。そんなにサクサク食べられない。うむむ、加齢のせいなのか。
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そのまま同じフードコート内でたこ焼き。中身がとろとろなのですが、私はもう少し固めが好み。
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ラストにうどん。きつねがおいなりさんくらい甘い。お出汁は美味しいけど、きつね甘すぎるなー。
数年ぶりの大阪、あまり味覚がジャストフィットしないな。


宿へ。
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ここはトイレと風呂場が別々になっているのがよい。
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翌日。朝食はコロナ渦のため、バイキングではなくサンドイッチセットを部屋で食べる。これでも十分ですが、やはりバイキング食べたいよねー。早くコロナ落ち着けー。


レンタカーをゲット。
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トヨタレンタカーなのでヤリスかなーと思っていたらTANKでした。いざ乗ると、室内は広いし後部座席はフルフラットになるしで、とてもよい車でした。ウインカーの感触がなかなか慣れなかったけど。


大阪の人は、ウインカーを極力出さずに走るのがカッコいいと思っているのかな?大阪の人は、赤信号になってから2台は通行可だと思っているのかな?と思いながら走って向かったのは
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アドベンチャーワールドです!いい天気!
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いきなり象!仲良く水を飲む。象の鼻の先っちょはカタツムリっぽいというかおちんちんっぽいというか。
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いきなりパンダ!無造作にパンダ!行列もないのにパンダ!
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ガラスもなく、こんな距離で見ちゃっていいんですか?パンダですよ!
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隣の建物にもまたパンダ!こっちもガラスなし!たれぱんだ
パンダだらけで鼻血出そう。
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そうなると、もちろん昼食もパンダだよね。


その後、サファリゾーンへ。連結バスみたいな乗り物に乗ってサファリを一周します。
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熊が座ってる!
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トラやライオンは日陰で寝ているので見えなーい。ホワイトタイガーもいたけど撮れなかった。
バスは止まらずずーっと走り続けるので、なかなかシャッターチャンスに恵まれず、いいショットが撮れず残念!腕が足りない。


サファリを下りて歩くと、またパンダ!
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たれぱんだとおしり。
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パンダだらけでパンダまみれで鼻血出そう。梅梅ありがとう!
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秋篠宮家も虜にするパンダ。


海のゾーンへ行こう。
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シロクマやトラとか、でかい動物は足が大きくてカッコいいよね。
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ペンギンはただ立っているだけで面白い。
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しかし泳いでいる姿はカッコいいんだぜ。


イルカショーを見よう。
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イルカショーって、今はイルカのすごい芸を見せるだけでなく、お兄さんお姉さんと一緒に創り上げる「ショー」なんですね。感動しちゃった。


動物のショーも見よう。
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こちらは基本的に動物が左から右に移動するだけというほのぼのショー。ブタやフラミンゴは何もできないのにアシカやオットセイは芸ができてすごいなあ。
アシカやオットセイとか、イルカやシャチなどが芸を覚えるというのは誰が見つけたんですかね。その人もすごい。


夕方になってきたので他も回ろう。
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飼育員に追い立てられ厩舎(アヒルだと厩舎とは言わないか。何と言えばいい?)に戻るアヒルさんたち。
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オウム丸出し。飛んで逃げたりしないの??
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カバは水浴び。


そしてもう一度パンダに会いに行こう。
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ちょうどご飯の時間!
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わざわざこの位置で笹を食べるパンダ。エンタテイナーよのう。(飼育員がここに笹を置いている可能性もある?)


あー、大満足。上野動物園の大行列&ガラス越しの貴重パンダと雲泥の差。パンダがたくさんい過ぎてレア感がない。ここには楽園があったぜ。


お次の目的地へ。
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円月島です。日没時にちょうどこの穴の部分に日が落ちるそうです。そんな上手い話ある?自然はすごいなー。
日没が近づくにつれて人が増えてきました。みんなでさりげなく場所取り合戦。でも実際どの位置だとちょうど見えるのか誰も知らない。
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もうちょっと!
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もうちょっと!!
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キター!!!
いやー、こんなの、この場所に来なきゃ撮れないし、来ても晴れていなきゃ撮れないわけですよ。それを一発で仕留める私たち、持ってるね。


大満足で宿に向かおう。
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温泉宿です。マジックアワーの白浜は美しいぜ。
お風呂に入り、お食事タイム。
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これが、
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こうなる。美しい!
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クエが美味しかった!
いつも通り1杯目はビールで、お次は和歌山なので梅酒を飲もう。
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飲み比べがあるのか、どれどれ。
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多くない?普通、飲み比べって小さなグラスに3種じゃない?ありがたいけど、多くない?
何とか飲み、お次は日本酒。
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こっちも飲み比べがあるのね、どれどれ。
日本酒の写真は撮り忘れてしまったのですが、こちらも多い!普通に1合でコップからはみ出し升までいっぱい。飲み比べのサイズじゃないよ!
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それでもお料理が美味しいのでお酒も進み、無事完食。
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帰りにラウンジでアイスをいただく。酔った体に沁みます…。


その後また風呂に入り寝ましたが、結構酔っ払っていた。サウナがなくてよかった。
というわけで2日目終了。
まだ旅は続きますが、一旦ここで切ります。


2021年10月ツイートまとめ

映画『護られなかった者たちへ』 感想

映画の評価はできない


映画『護られなかった者たちへ』を見てきました。公式サイト↓
movies.shochiku.co.jp

作品の前情報を何も入れずに見たら、このお話、生活保護が大きく関わっているのですね。私、今年度から生活保護の仕事をしているので、その描き方が気になって作品そのものの良し悪しを判断することができなくなりました。


(以下、ネタバレあります)


オープニングは震災直後の避難所(小学校)の場面。ここの映像が素晴らしい。あの瓦礫の山、全部作り物ですか?美術スタッフの仕事、素晴らしい!
佐藤健の目つきは素晴らしいのですが、避難生活中でも眉毛が整いすぎていて、そこが気になりました。それに対し、阿部寛は眉毛も髭も白髪も全部整えなし。それでもこれだけカッコいいんだからすごいなー。


物語としては、分かりやすいミスリードと分かりやすい意外な犯人。佐藤健と見せかけてー、とくれば、犯人は清原果耶さんしかいないですよね。
でも、無理でしょ。いくらスタンガンがあったとしても、女性一人で男性を拉致監禁できるか?いくら住人が誰もいないアパートで猿ぐつわされていても、周囲に気づかれないなんてことある?陸の孤島に建っているんじゃないんだから。そもそも、そのアパートはなぜ鍵が開いていたのか?
という物理的な問題と、動機もよく分からない。
おばあさんが亡くなったのは福祉事務所のせいだとしても、殺すかね?償わせるとか謝らせるとかではなく、殺すかね?生活保護制度に対する問題提起だとしても、殺すかね?それこそ一緒に働いている今の同僚に申し訳ないと思わないかな。
クライマックスの襖に書かれた「おかえりなさい」の文字、そんなにぐっとくる?かんちゃん(清原果耶)はずっと地元にいたんですよね?高校生の頃にも会っているし。何がそんなに決定的な一言だったのか、分かりませんでした。


東日本大震災生活保護は、物語のミステリーとしての材料に過ぎなかったのでは。


エンディング曲は桑田佳祐『月光の聖者達』。
www.youtube.com
これはビートルズに心躍らせていた昔の自分を思い起こすという曲ですが、歌詞全体を見るとこの作品に合っていますね!


さて、生活保護について。
そもそもこういう作品で生活保護が取り上げられると、いつも「不正受給」が描かれますよね。でもね、不正受給なんてほぼないの。
yomidr.yomiuri.co.jp
保護受給世帯の内、金額ベースで0.45%、世帯数ベースで2.7%です。そもそも生活保護の受給件数は世帯全体の1.69%です。

その中の0.45%であり2.7%ですよ。ほぼゼロじゃないですか。それなら、ことさらに不正受給を取り上げるのではなく、真に困っている人がなかなか受けられない、世間の偏見により差別を受けている、などをもっと描いた方がよかったと思います。
千原せいじステレオタイプな描き方はいいとしても(実際、ああいう不正受給って、どうやって成立させているんだろ?)、娘の塾費用のために黙って働いていたというのは、「働いたら保護費が減らさせる」ではなく「働けば控除が利くので手取りが増えますよ」というプラスのメッセージで描いてほしかったです。


劇中で、永山瑛太演じる福祉事務所職員が扶養照会を渋るけいさん(倍賞美津子)に保護の辞退届を書かせる場面があります。これは「水際作戦」といい、保護申請希望者に対しいろいろ注文をつけたりして保護の申請を受けない事務所のやり方をいいます。この水際作戦はあってはならないことなのです。申請者は全員受ける、その上で保護必要な人は保護を開始する。これが正規のやり方です。受けたくないから、面倒だから、忙しいからといって申請を(実質的に)拒むことはしてはならないやり方なのです。
特にこの場合は、けいさんは保護を受けなければどうやって生活していくのですか?その後の生活の見通しもないまま辞退受理なんてしてはいけません。扶養照会の保留などで、まずは目の前の命を、目の前の生活を助けなければならないのです。
※「扶養照会」とは、保護申請者・受給者の親族に支援ができないかを問う手紙を出すことです。親族は「できる範囲内で」支援なので、もちろん支援「しなければならない」ではありません。実際は「精神的支援(緊急時の連絡先など)は可、金銭的支援(仕送りなど)は不可」という場合がほとんどです。返信がないことも多いです。
というわけで、金銭的支援をしてくれることなんてまれ(というかほぼゼロ。だって、支援してくれる関係性があれば既にしているはずですから)なので、扶養照会って個人的にはやる必要ないと思っています。もちろん本人だって親族に知られたくないと思っている場合が多いし。その結果、2021年3月に扶養照会は積極的にやらなくてもよいと制度運用の変更が行われました。


話を映画に戻す。
この場面は数年前の設定なので、扶養照会は今よりもまだデフォルトで行われていました(もちろんこの時代だって福祉事務所により温度差はあります)。そこで瑛太の言っていた「原理原則に則って」というのは、間違っていません。扶養照会は絶対にやるんだ、と。
それでもやっぱりその運用は厳しすぎるなと思うのですが、当時震災の影響で被災地からこの地区に人がたくさん避難してきて、保護申請がたくさん行われており、さらに瑛太は倒れた墓石の復旧作業まで自主的にやっていました。そんな過酷な環境の中であれば、瑛太の対応は悪い!と一刀両断するのはちょっと可哀相だな、とも思うのです。
組織としてマンパワーが圧倒的に足りない。その中でどうやって仕事をしていくか。その結果としての「原理原則」であれば、そこまで責められたものではないな、と同情してしまうのです。
作品としてのバランスが上手い。


「声をあげてください」というメッセージは正しいけど、あの犯罪が仕方ないとはどうしても思えないし、その凶行がもたらす影響は「声をあげてください」に追い風になるとは思えないのです。
清原果耶とは別にもうひとり、不条理な思いをしている人を登場させて、その人が凶行に走る。清原果耶と佐藤健がそれを止めようとする、の方がよいのでは。無理解が引き起こす悲劇として。
本作だと「いじわるな生活保護担当が殺された。殺されるのは可哀相だけど殺される側にも理由があった」という作りに見えてしまいます。そうではなくて「生活保護すべき人を見捨てたように見えるが、福祉事務所側にも理由があった」のです。


この作品で生活保護の何かが分かるとは思いませんが、こういうエンタメ作品で取り上げられることは意味がある。実際保護が必要な人は映画なんて見ている余裕はないと思いますが、SNSなどで広まってほしい。そして手をあげてほしい。声をあげてほしい。届きます。拾います。掴みます。


瀬々敬久監督の他の作品の感想↓
ese.hatenablog.com
『64』も見たけどそちらはハマらなかった。


映画『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』 感想

物語だけでなく、映画も大団円を…


映画『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』を見てきました。
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やっと、やっと公開!私は特別『007』ファンというわけではありませんが、それでも待ちに待った超大作。めちゃめちゃお金を掛けた映画を大画面で見る愉悦、たまりませんね。


前作でダニエル・クレイグ卒業っぽかったけど、続投。さて、この延長戦、どう決着させる?
感想。「いろいろ思うところはあるが、面白かったよ!ダニエル・クレイグ、お疲れさま!」


(以下、ネタバレあります)


予告編で散々見てきた「アストン・マーチンぐるぐるファイヤー」と「バイクで下からびよーん」は、オープニングアクションだったのね!アがるぜ!まきびし、スモーク、ライトから銃のクラシカルな武器もよい!
キューバのパーティー会場でのガンアクションは、パロマ役のアナ・デ・アルマスに釘付け。アナちゃん可愛いよー。
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あのドレスってどういう構造になってるの?胸の部分は両面テープで留めているの?
ese.hatenablog.com
彼女のことはここでもべた褒めしております。可愛い。アクション自体は、ああいう場面だと主人公に弾は当たらないし敵には当たるので特にいうことはない。


本作のメインボンドガールであるマドレーヌを演じているレア・セドゥも可愛い。ちょっとムチムチな感じがよい。たまに3時のヒロイン福田さんに見える瞬間もありましたが。
ボンドとマドレーヌが列車で別れる際、マドレーヌがさりげなくお腹を触る仕草で「もしや…?」と思わせる演出もよかったです。


ランクルvsレンジローバーの戦いは、子供が車内にいるので安心してハラハラできなかった。ボンドも敵ももっと激しくやり合ってもいいのに、ちょっと抑えめ。
クライマックスの階段でのワンカット長回し(風なのかもしれんが)はいい!階段の狭さと立体感は画面映えするしアクション映えもする。
ラストのボンドの表情や「自分が犠牲になって世界を救った」が分かるベタな描き方もよかった。
そしてエンディングでのマドレーヌからの「ボンド、ジェームズ・ボンド」の決めぜりふもよかったよ!


と、全体としては褒めなのですが、むむむと思う部分も少なくない。
パロマのシーン、彼女の登場はあそこだけなら彼女いらないよね?新007のノーミとタッグで戦えばいい。
ブロフェルドが義眼で組織を操っていましたって、MI6はザルですか?電波も通すし身体検査もしないし。いくら狂人のふりとはいえ、それだけで組織に指示を出せないでしょ。


そして最大のむむむは、本作のヴィランサフィンです。
敵のアジトが日本風味なのはいい。サフィンの服装が上品な作務衣みたいなのもいい。しかしボンドの土下座はイマイチでした。まず、フォームが美しくない。プライドが折られてない。屈辱感が足りない。土下座の美学が足りない。
まあ、そこはいいや。クライマックスで船に乗り脱出したはずのサフィンがなぜか戻ってきて対決。なぜ戻ってきた。ボンドに「愛する人に二度と触れられない呪い」を振りかけるのはいいけど、それでサフィンは何か得た?サフィンにとっての「勝ち」とは何だったんだろ。
スペクターの組織の上にいる存在とか、ブロフェルドを引き継ぐとか、『007』全体とリンクする立ち位置だとよかったのになー。


ラストのボンドの死に様はとてもよかったのですが、そこに至る部分でむむむがあります。
ミサイルを防ぐための防御壁を開けるためにシステムを動かす。うーむ、そもそも防御壁なんだから、何で開く設計になってるの?その下にミサイル発射台とかあるから開閉装置が必要とか、何か理屈づけありました?
まあいい。やっと開けたボンド。しかしなぜか再び閉まる!戻ってもう一度開けるボンド。このシステム、そんなアナログなの?あのデカいレバーをぐいっとやるだけ?そもそも一度閉まりかけたのはなぜ?サフィンが閉めたの?


なーんか、脚本がちぐはぐなんだよなー。点と点、場面と場面は面白いのに、つながりがおかしい。と思ってネットを徘徊したら、制作に当たっていろいろトラブルがあったのね。こんなビッグバジェットなのにこの杜撰さ。逆にデカい話だから口を出す人数も多くなってこうなっちゃうのかな。
それでも、ラストのボンドの死に様からのエンディングで「きちんと終わった感」があり、満足できました。


クレイグボンド、お疲れさまでした。次のボンドは誰かなー。長く続けられるように若い人がいいなー。