やりやすいことから少しずつ

好きだと言えないくせして子供みたいに死ぬほど言ってもらいたがってる

落ちこぼれの気持ちが分かった

私、勉強はできた方なんです。
大学受験や運転免許や各種資格試験など、ほぼノーミスで生きてきました。


しかし、今の仕事では全くの落ちこぼれです。
私は新人ですがおっさんなので、いきなり進行中のプロジェクトの会議に参加させられたり、出張で外部の人間と打ち合わせをさせられたりしています。
しかし、全く分からないんです。
まず、単語の意味が分からない。そして、今やっていること・話していることがどういう意味を持っているのか、全体の中でどういう位置づけなのか、などが分からないのです。
なので、外国語の会話を聞いているみたい。もしくは自分には分からない内輪ネタで盛り上がっているみたいな感じがします。


そうか、落ちこぼれってこういうことなのね。
単語が分からないから何について話しているか分からない。何について話しているか分からないので文脈も読み取れない。文脈も分からないので自分の立ち位置や仕事の意味合いも分からない。
分からないんです、何もかも。
そのため、資料を読んでも全く頭に入ってきません。単語も分からないし、何について書いてあるかが分からないのだから。


だから学生の頃、落ちこぼれは寝たりおしゃべりをしたり教室を脱走したりしていたんだな。だって外国語で内輪ウケの話をしているんだもんな。
今までも理解はしていたつもりですが、今になってそれを身をもって経験しています。


大学の頃も苦手な授業はありましたが、そこでは「行かない」「その単位は諦める」という選択をしていたので、この「分からない」からは逃げることができていました。
しかし、仕事ではそうはいきません。そこでいちいち訊きながら作業(まだ「仕事」と呼べるレベルではない)をするのですが、とりあえず言われた通りにして作業が完了しても、この作業の意味が分からない。


これやっといて→どうやるんですか→ここをこうして→できました。
点の作業はできます。でも、線にも面にもならない。全体図が見えてないので、この作業がどういう意味を持っているのかが分からない。
意味・理由・背景・目的。
全体の大きなマップや流れの中で現在行っている作業がどういう必要性があるのか分からないと、次に似たような仕事が来たときに応用も関連付けもできない。
職場の同僚・上司の教え方が悪いとは思いません。単に私に知識と経験が足りないため、理解できないのだと思っています。
私も前職の頃は「意味・理由・背景・目的」ということを意識して部下に伝えていたつもりですが、前提となる専門用語や仕事の全体図が共有されていないと、なかなか相手には伝わりにくいものです。なので、私は「伝えたつもり」でも、相手には伝わっていないことも多かったでしょう。それはその人の理解力不足ではなく、「伝える力不足」なんだな。


「好きこそものの上手なれ」という言葉があります。この言葉も正しいと思いますが、「上手だからより好きになる」ことの方が多いと思います。
ギターは弾けるから楽しいし、ゴルフが上手くなればよりゴルフにのめり込みます。音楽が好きな人でも歌が下手な人はカラオケは好きではないでしょうし、新しい音楽を聴かない人でもカラオケが好きな人は歌が上手い人でしょう。


なので、私もこの仕事が分かってくればより楽しさも分かってくるのでしょう。
現在も楽しくないわけではありません。しかし、上記のような不完全燃焼感は日々あるのです。
特に現在の部署は突発的な仕事が多く、より点の作業ばかりなのもそれに拍車をかけているのだと思いますが。


多分今は山を登っている最中なので景色を見る余裕がないのだと思っています。登りきったら(全体が見えるようになったら)素晴らしい景色が見えるのでしょう。
そして山を登る技術がつけば、景色を見ながら山を登る(仕事をする)こともできるようになるのです。
違う山ではありますが、今までも登ってきたじゃないか。山や登り方は違うけれど、登れるはず。


何か今回俺、いいこと言ってる!