やりやすいことから少しずつ

好きだと言えないくせして子供みたいに死ぬほど言ってもらいたがってる

私は武雄市図書館を支持します。そして地方活性化について。

行ってないけど


そろそろ時期外れの話題ですが、佐賀県武雄市が図書館の指定管理者としてTSUTAYAを運営するCCC(カルチュア・コンビニエンス・クラブ)と契約をしました。
賛否両論はありながらも、利用者は前年比5倍だそうです。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130502-00000001-maiall-soci


私は実際に武雄市図書館に行っていないし、樋渡市長の政治姿勢も行政の成果も知りません。また、主たる批判要素である「Tカードで個人情報が」とか「そもそも図書館とは」についても語るつもりもありません。
でも、私はこの試みは「成功」だと思い、支持するのです。
TSUTAYAやTカードについては後日何か書くかも。


■最初にやったモン勝ち

今年の1月、私は東北旅行をしてきました。その中で岩手県遠野市に行ったのですが、皆さんは遠野と聞いて何をイメージしますか?柳田国男の「遠野物語」ですか?では、読んだことありますか?内容知っていますか?ほとんど知らないでしょう。私も知りません。
私が遠野に行こうと思ったのは、旅行ガイドブックに「河童のいる町」と載っていたからです。
で、実際「カッパ淵」に行ったら、そこはただの小川でした。1mほどの幅の小川に小さな橋がかかっているだけ。もちろんカッパなんていません。当たり前だけど。
それでも、ガイドブックに「河童のいる町」と書いてあれば私のように行ってみたくなる人もいるでしょう。そして、行ってしまえばそこで何かしらお金を落とすのです。ご飯を食べたりお土産買ったり宿に泊まったり。私も「カッパまんじゅう」だか「カッパサブレ」だかを買いました。そして「河童捕獲許可証」まで買いました。


これでいいんです。
誰も「カッパいないじゃねーか」と怒る人はいないでしょう。確かにカッパ淵は感動するような場所ではなかったですが、そういう体験も含めて楽しかったです。


ただ、今から他の町が「うちにもカッパが」と言い出してももう遅いです。ひこにゃんくまモンの人気にあやかって全国の地方自治体ではゆるキャラをたくさん出していますが、今から出しても勝てるわけがない。椅子には限りがあるのです。
なので、今後この「図書館&TSUTAYA」というビジネスモデルは全国に広がるかもしれませんが、この武雄市以上の成功を収める自治体はおそらく現れないでしょう。


■PRしたモン勝ち

宮崎県知事だった東国原英夫氏は「宮崎の広報マン」と自称し、マンゴーや地鶏のPRに一生懸命でした。その結果、マンゴーや地鶏の売上はもちろん、観光全体にも大きな成果を上げることができました。
話題があれば行くし、行けば何かお金を落とします。それが観光。
なので、この図書館がこれだけ話題になれば、それを目当てに行く人も多いでしょう。そして行けば他のお店などにも寄るでしょうし、お土産買ったりご飯食べたりします。市全体では相当大きな経済効果があったと思われます。
賛否両論あろうとも、話題になったら人は動くのです。


地方がディズニーランドに対抗しようとしても無理です。デカい箱物を作っても維持・活用できません。そこで都会と張り合っても勝てません。
なので、地方は自分の地元でしかないもので勝負するしかないのです。いや、そこで勝負してこそ都会に勝てる道が開けるのです。
それは、極端に言えば何でもいいんです。正直な話、「河童のいる町」なんて、ウソじゃないですか。でも、言っちゃえばいいんです。うちの町にはカッパがいると。そんなことを謳う町は他にはありません。だからこそ都会にも他の町にも勝てるのです。


全国には面白いものがたくさんあるはず。地元の人は当たり前に思っていること・もの・場所でも、他の人から見たら新鮮に感じるものはたくさんあるはず。そういうものを見つけ出して、ホラもハッタリも混ぜたままで大きな声で言い切っちゃえばいいのです。
ただ、そこで「大きな声を上げる」「外へ声を届ける」部分が難しいんですよね。YouTubeでもFacebookでもTwitterでも、発信は簡単だけど届かせるのが難しい。
地方、頑張れ。


武雄市図書館の話が地方活性化の話になってしまった。



遠野で買った「河童捕獲許可証」。200円だか300円。


これも読んだのですが、編集にCCCが入っていたので「武雄市図書館カッケー」な内容でした。もうちょっと公平な本が読みたかったです。次のTSUTAYAはこれだそうです。ここも遠いので行けないけど、楽しみ。GEOに負けるな。