やりやすいことから少しずつ

好きだと言えないくせして子供みたいに死ぬほど言ってもらいたがってる

スナックは男の「舞台(ステージ)」だ

年度末ですので、私の職場でも先日送別会がありました。
私の部署でもひとり定年を迎える先輩がおり、その方はカラオケが好きなので2次会はカラオケに行こうと同僚と計画していました。
宴もたけなわの頃、先輩にその旨を伝えると「じゃあ、俺の行きつけのスナックに行こう。そこにはカラオケもある」ということで、スナックに行くことになりました。
私は普段2次会もあまり行かないし、バーやスナックなどは全く行きません。それでも、せっかくの退職祝いの日ですから、お供しました。


着いたお店は韓国人ママがやっている狭いお店。カウンターに6席くらいイスがあり、ソファも6人くらい座ればいっぱい。長屋方式なので、トイレは店外の共同トイレ。
何でこんな店が行きつけなんだろう。


それでも、店内には既にお客が4人くらいいます。お客、いるんだな。
私たちは8人で来たので、その時点で既に満員。しかし、私たちのうち3人はすぐに逃げ出してしまいました。
ビールと水割りを頼んで、さっそく先輩のカラオケ開始。
そして、ここはスナックなので、歌うのは私たちだけではありません。店内にいるお客さんも順番に歌うわけです。
それが、みんな上手い。
皆さん一人で来ている人ばかりのようで、見た目は失礼ですがイケてないおじさんたち。仕事などの細かい話はしませんでしたが、どういう流れで今夜このお店に一人で来ることになったのかな?


それにしても、皆さん上手いのです。
私は考えました。勝手な推測ですが。
この人たちは、これだけ歌が上手いということは、歌うことが好きなのです。でも、おじさんなのでひとりカラオケは敷居が高く、かつイケてないから一緒に行く人たちもいない。そこで、こういうスナックに来て自慢の喉を披露しているのではないかと。
ここであれば思う存分歌えるし、周りの人からも賞賛される。普段仕事ではイケてない俺たちだけど、この舞台では自分がセンターポジションだと。
普段とは違う、輝く自分になれる場所なのではないかと。
スプリングがバカになって沈み過ぎるソファに座りながら、そんなことを考えていました。


で、この店ですが、カラオケ完備とはいえ防音設備は全くなく、外の道路からでも長屋の共同トイレからでもダイレクトに歌声が響きます。
そしてカラオケの入力は昔ながらの番号入力。デンモクみたいなハイテクリモコンはありません。なので、選曲はあの分厚い本です。しかも2011年までのものしかない。
こんなんでいいのか。場末のスナックだからこれでいいのか。
それでも、途中何人かが店を覗いて「何だ、満員か」と残念そうに帰っていきました。え、この店、人気なの?


ビール1本と焼酎1本を飲み干して、たくさん歌ってお開きの時間。
お会計、14,000円。!!!
最初一瞬いた3人もカウントされているのか。カラオケ1曲あたりいくらなのか。このビールは、水割りは。明細を見せてくれ。
これがスナックか。これがスナックにおける適正価格なのか。そりゃこんな場末のスナックもやっていけるよな。


これでまたスナックやバーに行く足が重くなってしまった。


スナックあるある この素晴らしき魑魅魍魎の世界

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浅草キッド玉ちゃんのスナック案内

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