後攻YUKI(奇跡の46歳)
前回のお話
ese.hatenablog.com
バンドセットの転換。YUKIバンドはドラムとキーボードを左右に斜めに配置してギター2人とベースが正面後ろに立つという面白いフォーメーション。
1曲目は『プリズム』。YUKIは白いふわふわした衣装。どういう作りなんだろ。去年のフジロックでもこういう格好してたな。ライブ後に「くるよ師匠を思い出した」というツイートを見て失礼ながら納得。見ているときに思いつかなくてよかった!
YUKIを見ると「きれいな生命体が発光している」とか「ポジティブが爆発している」みたいなことをいつも思う。いつも思うほど見てないけど、思う。
髪型は、左半分がボブで右半分がゆるウェーブのかかったロングヘア。こんなアシンメトリーが許される46歳は日本でひとりしかいない。許されるというか、かわいいのは。地毛なの?毎日この髪型なの?ウィッグ?
2曲目『ランデブー』終わりで最初のMC。「YUKIちゃーん」「かわいいー」の声に「はいよ~」という軽く応え、「岡村ちゃんすごかったねー。負けない!」と話すのを見て、「普通のライブってこうだよな」ということを思ってしまった。普通はしゃべるのだ。あの人は普通じゃないのだ。
ライブは『長い夢』のような初期代表曲もありつつ、最新シングル網羅!なセトリでしたね。大満足ですが、『ふがいないや』も聴きたかったなー。
あとね、ドラムがめちゃめちゃ素晴らしかったです!もう1曲目から「何だこのドラムは。誰なんだこのドラマーは」と気になって気になって。結局YUKI7割ドラム2割その他1割くらいの目線でしたよ。
そのドラマーは白根賢一さん。GREAT3の白根さんだったのか!YUKIバンドは同期も使っているので(使っているよね?)、タイトで正確なビートなのにグルーヴ感がすごい。普通のビートを叩きつつ余裕ありすぎで手数が増えている感じ。グルーヴの豊潤さとともにシンバルやライドの叩き方でパーカッションというかバンドアンサンブルというか、プラスアルファの音も乗っけてくる。スネアの音も私好みだったし、いや本当に素晴らしかった。
その他、ギターとコーラスしていた人は私の位置からは遠くてよく見えなかったのですが、DJ KOOやGLAYのHISASHIみたいな見た目で変なギター(デザインが)を変な弾き方(ネックの上から弦を押さえてたぞ?)で弾いていました。
もう一人のギターとキーボードはきっちりと仕事をする職人。ベースは途中ベースを弾かずにキーボード弾いていた曲もありましたが、ベースなしなんてことあるの?打ち込みでベース入っていたの?もしくはシンセベースを弾いていたの?
ライブ中盤の『tonight』は音源でも音が一瞬止まるところがあるのですが、この日は10秒以上止まっていました。完全に時が止まっていましたね。ディオでなくても時は止められる。
この「永遠の10秒」の後に再び歌い出したときのカタルシスたるや!時は再び動き出し、私たちも再び呼吸できる。耐えきれなくて「YUKIちゃーん」と叫ぶ人や拍手をした人もいましたが、野暮!野暮ですよ!
私には「たった一人でステージ上で微動だにしない時間=スター度」という指標がありまして、それはKREVAだったりビヨンセだったりマイケル・ジャクソンだったりするのですが、その系譜にまた一人加わった!
最新シングル『トロイメライ』の後は『フラッグを立てろ』『ワンダーライン』『鳴いてる怪獣』と盛り上げゾーン!
『JOY』はファンのみんな振り付け踊れるのね。そういや岡村ちゃんは自分勝手に踊るので見ている私たちも参加して踊るなんてことないですね。私が普段行く真心ブラザーズにしろRHYMESTERにしろレキシにしろ、「振り付け」という文化がない。スガシカオは『午後のパレード』だけ振りがあるな。私は踊れないけど。
この曲の途中で突然バスドラだけのアカペラになり、「今日はなんの日かわかってますよね?『Ultra Boy Meet Super Girl』だよね?みんなでウルトラボーイを呼んでくれる?岡村靖幸ーー!!!」
なんだってーーー!!!!
呼び込まれて登場した岡村ちゃんは真っ赤なスーツ。ワイシャツも赤。カズレーザーを超えた!
がっしりとハグをして、『JOY』を歌う岡村ちゃん。おお、ステージ上ではしゃべらない、フェスなどのイベントでもコラボとかしない「自分のフィールドでしか闘わない」岡村ちゃんが、他人のステージで他人の曲を歌っている!岡村ちゃん、開けている!しかも『JOY』のダンスもしてたよね?
サビをオクターブ違いながらユニゾンで歌うと、YUKIの声消えちゃうね。岡村ちゃんの声が太すぎる。そして、相手の曲なのに後半ではメロディ通りではなくアドリブやフェイクを入れちゃう岡村ちゃん。やはり衝動の方が強い人。
曲終わりでまだ会場がざわついている中、エレピに座る岡村ちゃん。おお、このエレピはそのためにあったのか!ネタバレは最初からされていたのに、気づかなかった。巧妙なミステリだぜ。
手癖でピロピロと弾き始める岡村ちゃん。YUKIファンの皆様、この人はギターだけでなく鍵盤もできるのです。ベースもバンジョーも、何でもできるのです。
「YUKIベイベ~」と歌い始めると「何、靖幸~」と応えるYUKIちゃん。ああ、私は今、神々の戯れを見ている。
「YUKIベイベと立ち食い蕎麦とか食べてもいい気がする〜♪いややっぱり違う気もする〜♪していいこととよくないことがあるだろう〜♪…つまりなにがいいたいかっていうのは〜♪…いいか、わるいか…」
bi9rii.hatenablog.com
細かい部分忘れたので、こちらのブログから引用させていただきました。
で、ここから『イケナイコトカイ』!岡村ちゃん、あなた、こんな上手いフリできるの!岡村ちゃんがまず歌い、YUKIもそのあと歌う。YUKIは岡村ちゃんの1オクターブ上を歌うのですが、「彼女のLove,Sex,Kiss 朝からずっと待っている」の部分なんて岡村ちゃんがファルセットで歌っているのに、YUKIはオクターブ上のまま歌いきる!
すげーーー!!!
会場も大きな拍手!そして岡村ちゃんはエレピをバンバンと叩く叩く!喝采8割悔しさ2割くらいの塩梅で。叩きすぎて次に鍵盤弾いたら音色変わっていて慌てて元に戻していたもんね。
曲が終わり、まだ会場は「えらいもん見た」という興奮冷めやらぬ中、「スリーフォー!」と「あの子供の声」でカウントが!『だいすき』です!!!しかも最近の岡村ちゃんライブでは聴くことのできないオリジナルアレンジ!
AメロBメロを交互に歌い、サビでは合唱。何という贅沢な光景。
そうか、岡村ちゃんが先攻だったのも、『だいすき』を歌わなかったのも、こういうことだったのか。上手い構成だぜ。
曲の後半では銀吹雪も降ってきて、まさにキラキラ!
時折肩を組んだり社交ダンスもしたり、結構くっつく二人。ですが私はあまりジェラシーは感じなかったです。YUKIなのでエロスよりもかわいいとか小悪魔の方が強いし、下品な感じがしない。
あと、結構岡村ちゃんもちゃんと腰に手を回すのね。照れがあってできないと思っていたのに。曲終わりでジャンプを促されているときはちょい照れ笑いしてましたが。
終わってしまいました。あー、いいもん見た。スペシャルなもん見た。
普段ステージ上では他者との絡みを一切しない岡村ちゃんだからこそ、このフリが効いてとてもスペシャルなコラボになりました。
また、岡村ちゃんの弾き語りは完全に即興なのに、それにちゃんと付いていくYUKIちゃんもすげえ。付いていくどころか「フフフフ」とかは先導してたもんな。岡村ちゃんが負けず嫌いを発動させて「フフフ返し」をしていたけど。
すごい二人がすごいライブをしてすごいコラボをしたらすごく感動するっていう「当然だけど今日しか見れないすごいライブ」でした。ラストで語彙が消滅した。
そして春のツアーも!わーい!でも新潟がなーい!
ありがとう武道館!
YUKIセトリ↓
01. プリズム
02. ランデヴー
03. Hello!
04. チャイム
05. 長い夢
06. tonight
07. ひみつ
08. トロイメライ
09. フラッグを立てろ
10. ワンダーライン
11. 鳴いてる怪獣
12. JOY(with 岡村靖幸)
13. イケナイコトカイ(with 岡村靖幸)
14. だいすき(with 岡村靖幸)
- アーティスト: YUKI
- 出版社/メーカー: Sony Music Labels Inc.
- 発売日: 2018/09/19
- メディア: MP3 ダウンロード
- この商品を含むブログを見る
- アーティスト: YUKI
- 出版社/メーカー: ERJ
- 発売日: 2018/01/31
- メディア: CD
- この商品を含むブログを見る