TAKUYAの物語
ものすごく久しぶりにJUDY AND MARYを聴いたらとても良くて語りたい。深い内容は何もなくてTwitterでつぶやくレベルなのですが、長くなるからこっちに書く。「ジュディマリ論」なんてものではなく、ジュディマリってここがすごいよねーというファンの独り言です。
ジュディマリは、ポップだ。
曲もポップだし見た目・存在もポップだ。これは売れる。
そもそも曲がいい。ポップでキャッチーなグッドメロディ。メインコンポーザーが二人いるので曲のバリエーションも多くなる。さらにドラム五十嵐さんだって『散歩道』のような名曲も書けるんだから鬼に金棒猫に小判。
YUKIのボーカルがいい。ポップでキャッチーな華のある声。ビブラートに頼らずまっすぐ声を出す発生方法なのに上手いということは、声質がいいということ。ああいうトレブル高めの声(声の高い部分が強い)なのに痛くない音というのは、倍音成分が多いので聴いていて気持ちいい。『motto』なんて、ビブラート頼りの歌手が歌ったら勢いもポップさも生まれない。
そして、4人のキャラもいい。YUKIちゃんの可愛さは異常(そして今でもまだ可愛い)だし、TAKUYAのやんちゃなお兄ちゃん感、恩田さんの見た目のキャッチーさ(そりゃダウンタウンは最初に彼に目を付けるよな)、五十嵐さんのいい人感。
これは売れる。
今はこういうポップなバンドいないし、こういう強いメロディを書ける人もいない。今ジュディマリがデビューしても絶対に売れる。歌詞だけ90年代感あるけど。
曲はポップでキャッチーなのですが、よく聴くとTAKUYAのギターはおかしい。4人バンド(ギター1本)なのにTAKUYAはコードをあまり弾かず、かといってアルペジオでもなく、めちゃくちゃ自由なフレーズを弾いているのです。
ドラムとベースの土台がしっかりしているのとYUKIの声が強いのでポップさを保っていますが、冷静に聴くと本当におかしい。『motto』のイントロなんて、よくあんなギターの上で歌えるな!『Brand New Wave Upper Ground』のあえて外した不協和音のフレーズとか。
ギターがもう一人いるとかキーボードがいるとかならともかく、ギター1本でやるアレンジじゃない。それでも成立させているのがこのバンドのすごさ。
ジュディマリ解散の理由はいろいろ語られていますが、表層的な出来事だけではなく当事者でないと分からないことも多いでしょうから、私の下手な推測はしません。
それでもひとついえるのは、TAKUYAの成長が大きかったんだろうなーということ。
以前はTAKUYAと両輪だった恩田さんの曲は、4枚目『POP LIFE』ではわずか1曲、ラストアルバム『WARP』ではついに0になってしまいました。
さらに、『POP LIFE』までは「編曲:JUDY AND MARY」だったのが、『WARP』では「編曲:TAKUYA」になっています。恩田さんが作り、恩田さんがリーダーだったバンドは、TAKUYAのバンドになってしまいました。
つまり、JUDY AND MARYというバンドの成長と解散は、TAKUYAの物語だったのではないでしょうか。
いや、そんな大きな話にしたいわけではありません。ジュディマリって、今でも売れるよね。今聴いてもやっぱり名曲だらけだよね。これ聴くとバンドやりたくなるよね。YUKIの声は強くて可愛いし、バンドサウンドは自由だけどポップだよね。ジュディマリって、言いバンドだったよね。
そういうことを書きたかったのです。
- アーティスト:JUDY AND MARY
- 発売日: 2001/05/23
- メディア: CD