やりやすいことから少しずつ

好きだと言えないくせして子供みたいに死ぬほど言ってもらいたがってる

ちょい鬱でした

鬱は大人のたしなみ(©リリー・フランキー


人事異動が発令され、4月から別の部署に移ります。この部署には4年間いて、とてもいい職場でした。
で、その前の部署が私にはとても合わず、非常に苦しんだ思い出があります。
当時、異動が決まって、やっと抜け出せる喜びとともに、このときの気持ちを書き残しておきたいという思いがあり、以下の文章を書いておきました。
当時は生々しすぎて公にするのは躊躇したのですが、4年経ち、私のメンタルも回復したので新たな異動記念ということで公開します。


下記にも書いてあるとおり、これは「誰が悪い」という話ではなく、「合う/合わない」の話です。つまり適材適所って大事よねってこと。
シリアスに考えれば合わない環境にいるだけで人は簡単に病んじゃうということですが、ポジティブに考えれば環境を変えるだけで治るよってことでもあります。もし今の環境に苦しんでいる人がいたら、死なんてとんでもない、転職だって大変なら、部署異動だけでもしてもらえれば景色はガラッと変わりますよ、と伝えたい。まあ、仕事によっては異動自体ない職場もあるので、そんな簡単な話ではないのでしょうが。


では、4年前の文章をお読みください。

あー、このブログはリアル知り合いも何人か見ているので、見られるのが嫌だなー。でも書いておかないと。


冬くらいから、ちょっと鬱でした。
最初に書いておきますが、このエントリに登場する人たちは今回の私の鬱の原因の一部ではありますが、助けてくれた人でもあるし、そもそも「この人たちが『悪い』から今回のことが起きた」わけではありません。敵や悪者は一切いませんのでご了解ください。
「いい/悪い」ではなく「合う/合わない」の話。


吉田豪の著書『サブカル・スーパースター鬱伝』ではサブカルの人たちが鬱になったことを告白しています。中年になると体力がなくなり、それに伴い物事に対する情熱も薄れてくる。そこに鬱が忍び寄る、という内容です。
私の場合ははっきりとした原因は分かりません。その「中年になったから~」もあるでしょうが、仕事や人間関係が合わず、こじらせているうちになってしまった、というのが直接的な原因だと思っています。違う部署ならならなかったのでは。


<症状>
●体と頭が動かない。人の話が頭に入らない。お金を扱う作業ができない、一度提出した書類が戻ってくると、もうその書類について作業することができない。
●人の話や文書が理解できない(頭が動かない)、覚えられない、覚えていない。
●自分で考えたり判断したりすることができなくなる。
●やらなければいけないことは分かっているのに、体が動かない。やらないとまずいことになることもわかっているのに、体が動かない。そのせいで余計動かなくなる。悪循環。


<原因>
●とにかく「訊きにくい雰囲気」がいちばんの要因
●こっちは中学1年レベルの質問をしているのに高校3年レベルの返答をされても理解できない。
●「これはAでいいのですか?」「要綱見れば載ってるよ」
●こっちは自分の質問に対して○か×かを聞きたいのだが、直接的な回答はせず、概要で答える。具体的に聞きたいのだが、抽象的に答える。
●もちろんそうでないと全体を理解しないのだが、全体なんて理解していないので、まずは点の部分から教えてほしい。
●「前も言いましたよね」「例の」で言われるともう二度と訊けない。
●パソコンから目を離さず(こちらを向かず)、こちらが言い終わる前に食い気味で返答するので冷たいと感じる。
●「何でも訊くな、自分で考えろ、自分で調べろ」と「困ったら訊け」のダブルバインド
●「これではハンコ押せない」と書類を返される。自分ではどこが悪いのか分からない。そのくせ「自信もって提出しろ」と言われるダブルバインド


言えない、訊けない。
電話も難しい。内容が分からないのに適当に相槌打ってしまう。後でメモ残そうと思っても、分かってないのでちゃんと書けない。


訊きにくい、ミスが許されない。そんな雰囲気の中でどんどん萎縮していきました。そして、大事な仕事を見て見ぬふりして些細な事務作業だけをやり過ごす日々。
罪悪感もあるので、職場に行くのが億劫になります。


半分はなまけ・さぼり癖なので、日常生活は問題ありません。ただし、夜に明日の仕事のことを考えると吐き気を催す。
なので、朝出勤するのが大変。えづいてしまうのでフリスクが欠かせない。フリスクのミント成分が吐き気を抑えてくれるのです。当時はカバンの中、職場の机の中、車の中と、あらゆるところにフリスクを配置していました。「ない」というのがいちばんの不安になるので。


これではまずいということは分かっているので土日に仕事をしようと出勤したことは何度もあるのですが、職場に着いているのに車から降りられない。30分くらいずっとスマホいじっている。
ようやく中に入っても、何もできない。ずっとTwitter見たりしている。机に置いてある書類を触れない。中を見ることができない。
結局何もできずそのまま帰ってくることが何度もありました。この4時間があれば映画も見れたのに。


そうこうしているうちにさすがに仕事がどうにも立ち行かなくなり、同僚が私の机の書類をひっくり返してくれました。ありがたかった。犯罪を犯して逮捕されてほっとする人の気持ちが分かりました。


逮捕のおかげで抱えていた(隠していた)仕事が明るみに出て、周りの協力もあって何とか片づけることができました。本当に、周りの皆さんにはご迷惑をおかけしたし、協力してもらえてありがとうございました。土下座しても足りないくらいです。


3月、異動の通知がありました。異動は希望していたのでありがたいですが、1年で異動というのは普通ないことなので、自分でもびっくり。せいぜい課内異動があるかな、と思っていた程度だったので、びっくり。


新しい部署は、これまたまったく分からない部署です。勤務場所も遠くなります。不安もありますが、今はここを離れられる嬉しさの方が大きいです。


以上です。今読み返してみても、あのときの不安感や緊張感が蘇ってきますね。あー怖い。
そして、次に行く部署もメンタルやられる部署らしいです。誰に聞いても「あー、そこ?大変だねー」と言われます。行く前から怖いよ!
でも、職場でのメンタル病みは、仕事そのものより周りの職員によるものが大きいので、その点ではたぶん大丈夫。たぶんみんないい人。まあ、4年前も同じこと思っていたのですが。


数年後、同じようなブログ記事を書かないことを祈っています。まあ、そうだとしてもそれでブログネタ1本できると思えばいいや。


人間コク宝サブカル伝

人間コク宝サブカル伝

  • 作者:吉田 豪
  • 発売日: 2014/02/19
  • メディア: 単行本