やりやすいことから少しずつ

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映画『ザ・ファブル 殺さない殺し屋』感想

アクションはアイディア


ザ・ファブル』の第2作『殺さない殺し屋』を見てきました。公式サイト↓
the-fable-movie.jp
前作の感想はこちら↓
ese.hatenablog.com
前作は「悪くないけど良くもない」という宙ぶらりんな感想でした。


さて、本作。
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よかったよ!


私は、アクション映画はいいアクションさえあればそれでよし、その他のことは目をつぶるぜ派なのですが、本作はまさにこれ。いろいろ言いたいことはあれど、アクションは大満足でした!
また、「アクションはアイディア」と思っていて、どういうアクションだと映えるか、ではそれをどうやって撮るか、どうやって脚本に組み込んでいくか。その点でも本作はよかったです。


冒頭、立体駐車場でのアクション。
日本は道交法が厳しく、なかなか公道でのアクションシーンを撮ることが難しい。そこで立体駐車場。いいアイディアだ。そして立体駐車場だから、ラストは上から落としてエンド。いいアイディアだ。
ここ、岡田君のアクションもよかったですが、それ以上に車にどんどんぶつけて壊していくところがよかった。金のない邦画だと「ガシャーン!」という音だけでぶつかる場面さえ描けない作品すらある中で、たくさんの車にどんどんぶつけてどんどん壊していくのはとても気持ちよかったです。


そしてクライマックスの足場アクション。これもいいアイディアですね。
まず部屋の爆破から逃れるために廊下の外へ飛び出す佐藤(ファブル=岡田君)。8階から6階に落ちながら移動するのはジャッキー・チェンみたい!
そこから建物の隙間で落ちながら落としながらのアクションで一旦外に出たところ、もう一度上に上がらなければならないミッションがあり、それが次のアクションへの理由付けになる。
足場アクションは、足場という不安定さがスリルを生み、壊れる・外れる・落ちるという部分で見た目の「映え」を増加させる。さらに制作側からすれば、足場職人役の悪者達は役のためにも撮影のためにも安全帯が必要で、編集の時点でそれらを消す必要がないという点でも、優れたアイディアでした。


と、アクションには大満足でそれでもう何も必要ありませんが、それ以外のドラマ部分ではいろいろ思うところあり…。
ヒナコ(平手友梨奈)は4年間まったく歩けていないのにいきなり立てるなんてことないだろ。1日1回、鉄棒に掴まるだけのリハビリで歩けるようになんてならんだろ。
宇津帆(堤真一)の事務所と生活スペースが一緒なのはずさんすぎるだろ。悪い企みもすぐ筒抜けだぞ。仕事とプライベートは分けようぜ。
鈴木(安藤政信)は、一度完全に負けてその後「全力で倒す!」になったのに、結局ファブルを助ける側に回るという節操のなさ。お前、ブレブレやんけー。
ラストは手紙や回想シーンなんていらなくて、街中で松葉杖を使って歩いているヒナコを見かけるくらいでいいのでは。


とはいえ、アクション映画はアクションがよければそれでよしなので、細かい文句は言いません。ヨウコ(木村文乃)が今回は意味のある役だったのもよかった。地雷のシーンはもう少し短めに緊張感をもって編集してほしかった。


さて、さらに続編ありそうなラストでしたな。あれば見に行きます。