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映画『前科者』感想

お前じゃない


映画『前科者』を見てきました。
zenkamono-movie.jp
WOWOWでやっていたドラマ版を見てから劇場版を見てきました。
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うーむ、ドラマ版の方がいいな…。つーか、有村架純演じる佳代ちゃん、キャラ変してるじゃん。あんなにアクティブ?あんなに饒舌?他人のアパートの窓ガラス割るなんて犯罪じゃん。ダメだよ。


お話は、森田剛若葉竜也の関係性や犯人は誰かというミステリー要素の部分はこの作品の本質ではないので、謎が序盤で明らかになる展開は問題ない。で、肝心の本質については「何か描いてた?」という感じです。
犯罪者の更生を疎外する様々な要因(社会的制度や偏見など)と格闘すること、もしくは犯罪の原因となった自身の過去と対峙すること、その辺がこの物語(原作のマンガ・ドラマ版)の本質だと思うのですが、映画版の森田剛は単なる傍観者で何もしてない。弟がかわいくてかわいそうで止めることも協同することもしない。確たる意志のもと、弟に協力するもしくは止めるならいいのですが、いつも怯えつつ車は出すという中途半端な立ち位置。
病室でハサミを持ちながら弁護士を待ち構えているときも「そこまで弟に協力的だっけ?」「そこまで弟の遺志を継がなくてもいいんじゃない?」と思ってしまいました。
なので、クライマックスの佳代ちゃんの説教が「何に対して説教しているのか」がよく分かりませんでした。


物語はアクションやサスペンスではないので画的な動きは少ないです。だからこそカットや編集が大事なのですが、何かテンポが悪い。
ドラマ版は制作費はない代わりに脚本と役者の演技(もちろんそれを引き出した演出も)が素晴らしかったのに、映画版はその辺がヌルい、緩い。


うーむと思って調べてみると、映画版は監督が脚本と編集を全部手がけていますが、ドラマ版の脚本は別の人なんですね。そして個人的に素晴らしいと思った3~6話はこれまた別の人が演出を手がけているんですね。
うーむそうか。もしかして、この映画版、別の人が脚本と監督をしていれば、もっと面白くなったのかも??


というわけで、私ははまりませんでした。
最後に関係ない話を。原作の佳代ちゃんは地味メガネ女子で、映像版も同じように前髪長め+ダサいメガネで有村架純が佳代ちゃんを演じているのですが、いかんせん有村架純なので、可愛すぎる。いくら仕事とはいえ、いくら親切心からとはいえ、男性に親身になり牛丼を振る舞ったりお弁当作ってあげたりしたら、男性はすぐ惚れちゃいます。そういういらぬ心配をしてしまいました。有村架純可愛すぎる問題。