やりやすいことから少しずつ

好きだと言えないくせして子供みたいに死ぬほど言ってもらいたがってる

「IPPONグランプリ13」 感想

お笑いの味方の見方


IPPONグランプリ」、大好きです。毎回感想を書くのですが、もうネタがない。「大喜利は楽しい」しかないから。
過去のエントリ↓

「IPPONグランプリ11」 感想 - やりやすいことから少しずつ
「IPPONグランプリ10」 感想 - やりやすいことから少しずつ
「IPPONグランプリ 9」 感想 - やりやすいことから少しずつ
「IPPONグランプリ8」 感想 - やりやすいことから少しずつ
IPPONグランプリ7 - やりやすいことから少しずつ
IPPONグランプリ4 - やりやすいことから少しずつ

あれ、第12回は書いてないのね。


もうネタがないので、今回はチェアマン松本人志の副音声に注目して見ていきましょう。
この番組における松本さんの役割は、「このお題の見方」「この回答のパターン」「このタイミング、このプレイヤーの回答の意味」など、解答そのものの面白さに加えて、多面的な見方を提供してくれます。


Aブロック
スタート当初、狩野英孝の回答が一本を取れなかった際。

お客さんも審査員も狩野にまだ心許していないというかね。

笑いは緊張と緩和。知っている人、親しい人の言葉の方が面白いと思うものです。なので、普段天然の狩野英孝大喜利の実力が分からない状態では笑いにくいのです。
「透明人間になる飲み薬。あまり使いたくない副作用とは」というお題に対して「思い出が一つ消える」で初の一本を取った狩野英孝。その次の回答は「何食べても薄味に感じる」で一本ならず。

アプローチとしてはさっきと同じですからね。

回答の種類の解説。
バカリズムの「宿便だけはバッチリ写る」という回答に対して。

分かるわー。分かるぞバカリズムバカリズムがなぜその答えを導き出したか、全部俺は分かるぞ。

何この達人同士の会話。私には分からない。
狩野英孝「自分のことを『スケさん』って言っちゃう」という回答に対して。

ちょっと繰りすぎたか。いや、これね、人(にん)もあるんですよ。狩野っぽくなかったんやろな。

そう、同じ回答でも「誰が言うか」は大きい。板尾さんの飄々とした顔からだと何でも面白く感じるし、ホリケンの明るい言い方も何でも面白く感じる。狩野英孝の場合はど真ん中か大暴投の方がはまるでしょう。変に上手い回答よりも。誰が言うかは、大きい。


「写真で一言」は、ランダムで写る写真に対してとっさに一言を言わなければならないので、写真が出た瞬間、プレイヤーの方は「おっ」とか「えーっと」という顔になるのですが、板尾さんは全く変わらないですね。ノーモーションからのパンチというか、助走なしでのジャンプというか、考えるとか迷うとかが一切なくいきなり答える感じがそれだけで面白い。


サドンデスは一本取るとそこで終わってしまうので、どうしても最初の回答は様子見になりがち。次の回答の方がイマイチでも一本になる場合があります。
なので、サドンデスは2本先取方式はどうでしょうか。いや、そうしたらサドンデスではなくなっちゃうし、その非情で不条理な部分も含めてサドンデスの魅力なんですよね。
結論。変えなくていいや。


一般視聴者の回答を紹介するコーナーで、「芸能界の暗黙の了解を教えてください」の松本さんの回答「さすがの浜田も小指はある」「和田アキ子の前でウケすぎると『ウチ分からへん』と説明させられる」は面白かった。


Bブロック
トレンディエンジェル斉藤さんは、一本取れないことが余計一本取れない悪循環になっている感じがありました。あと、あの声やしゃべり方は普段は面白いけど大喜利には向いていないのかもしれない。
大吉先生の彦麻呂の問題でのラスト2本は認めない。


Bブロックは審査員が厳しくてあまり一本が入りませんでしたが、Aブロックのようにどんどん景気よく一本入った方が何だか盛り上がっている感じがしていいのにな、と思いながら見ていました。確かに問題も難しかったと思いましたが。


決勝
大吉さんにはみんな甘いな。ホリケンの「親バレ」「ラスベガス」の方が面白いじゃないか。
「あくびをしながら言うなよ」のお題で早々にホリケンが一本取りましたが、

もっとしがめそうではありましたが

と言う松本さん。「しがむ」とは繰り返し強く噛んで味を出す(もしくは出なくなるまで噛む)という意味です。サドンデスなのでしょうがないですが、私ももっとこのお題見ていたかったです。
ラストの問題、まさかの「前の問題をフリに使う」回答。この番組は、天丼やかぶせはほぼなくて、その回答単体の面白さで勝負しているのがよかったのに、決勝戦の決勝問題でこれがくるとは…。松本さんも「うっそー」と言っていましたね。ちょっと残念。
とはいえ、大吉先生おめでとうございます。いい加減「賞を獲っておどおど」は卒業してもいいと思いますが。


今回は進行をいつもの伊藤アナから榎並アナに変わり、これは個人的にとても残念な変更でした。
伊藤アナは現役局アナとしてはTBSの安住アナと双璧を成す「何でもできるけど、その中でもバラエティだとピカイチアナ」だと思っていて、この番組でも進行のみならず空気の作り方までとても上手くやってくれていました。
榎並アナは伊藤アナほど空気づくりはできなくてもいいけど、アガリすぎ。それだけで会場の空気が固くなっちゃうよ。演者に気を遣わせないで。

優勝者とアナウンサーがこんなに最後まで緊張している番組はなかなかないんじゃないか。

特別な理由はなさそうなので、今後も伊藤アナは復帰しないのかな。残念。


今回のエントリ、松本さんの発言を拾っていこうと思い、再度見ながら書いていったのですが、後半になるにつれて書き出すほどのことは言っていませんでしたね。なので、このエントリの軸もブレブレになってしまいました。でももう書き直す気力はないのでこのままフィニッシュ。



第13回 IPPONグランプリ 2015年5月23日 HD - YouTube