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映画『竜とそばかすの姫』 感想

誰かに添削してもらおう


映画『竜とそばかすの姫』を見てきました。公式サイト↓
ryu-to-sobakasu-no-hime.jp
私、細田守監督作品は『サマーウォーズ』と『時をかける少女』しか見たことがありません。で、『サマーウォーズ』全然ダメ、『時をかける少女』大好き!という感想です。
ここ何作かはスルーしてきましたが、本作はmillennium parade×中村佳穂ですから。これだけで見に行く価値あり。
さて。
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ダメだろ。
(以下、ネタバレあります)
どうも私は「細田守×インターネット」相性が悪いようだ。
「U」って、何をするところなの?50億の人がVRのように「U」の中にいますが、何をしてるの?
「竜」は何か悪いことをしたの?ただ戦って勝っただけじゃないの?
「U」の中で戦って、「痛めつける」ってどういうこと?所詮インターネットの中の話でしょ?
サマーウォーズ』でも「OZ」は何だか分からなかったけど、ネット内で市役所業務やインフラ業務などもできるようなので、まだ意味がありそう。でも「U」はただ楽しむだけなの?何をどう楽しんでいるの?


「地味な少女が実は凄い実力の持ち主だった」はフィクションではありふれた設定ですが、それはいいです。歌が上手かったんだね。いきなり大人気になるのもまあ認めよう。それでも、いきなり1億~2億の人の前で歌える?陰キャの女子高生が歌える?


「竜の城をみんなが探している」そうですが、そんなに見つからないもんなの?でもベルはなぜすぐに教えてもらえるの?そもそも竜の周りにいるちっちゃいあいつら、誰?
で、ここから『美女と野獣』まんまオマージュになっていきますが、なぜここまであからさまなオマージュをしているのでしょうか。監督インタビューで語られてる?


まあ、この辺はどうでもいいんだ。問題はクライマックス以降だ。
児童虐待を知った鈴たち。あの少年たちに信じてもらうには素顔を晒すしかない。この理屈は分かりますが、鈴にそれをさせるのはリスクもハードルも高すぎないですか?しのぶ君がそれを言うなら、彼も同じリスクを取ればいいのに。彼もアンヴェイル(素顔を晒す)して、そしてそれがこれまでの劇中でベルに何か働きかけをしていたキャラだったりして、それでベルにアンヴェイルを勧めるならまだ許せる。しのぶ君はノーリスクで外野にいながら鈴にそれをさせるのは無責任だなーと思ってしまうのです。


さらにその後。ここから先はたぶん見た人全員が思っていることなのであまり細かく書きませんが、児童虐待の親の元へ女子高生一人で行かせるな。緊急事態なのにのんびり高速バスで行くな。その間警察や児童相談所に動いてもらえなかったの?場所を見つけるまでネットを駆使して場所を割り出したのに、いざ現場に行くと当てもなく歩き回るだけ。そんなことで見つからねーだろ!万が一見つかったとしても、家に入れてくれるわけねーだろ!と思ったら路上でばったり。そんなわけねーーーーーだろ!!!!!!!!!!!超能力者同士か!
もうあきれてまともに見ていない私ですが、父親登場。振り上げた拳を力強い目で撃退!思わず腰を抜かして逃げ出す父親。はーーー???見てらんない。これ、実写でやったと想像してみてください。見てらんないでしょ。
で、結局この家族はどうなったの?その後がまったく描かれていないので何も解決していない。子供は保護されたの?父親は逮捕されたの?女子高生の顔に傷を付けた傷害罪は?


いやもう、ダメだろ。
これまで歌の力で何とかごまかしてきたアレコレは、物語のクライマックスでいちばんの破綻をきたす。ダメだろ。誰か「監督、いくら何でもこの展開はありえなくないですか?」と進言できなかったのか。川村元気はなぜこれでOK出したのか。
監督自身が脚本書くのやめなよ。
現実部分の話でも、カミシンは自分に好意を持つ人なら誰でもいいのか(まあ、実際男子高校生なんてそんなもんだけど)、しのぶ君はクールすぎて人の心がないのか、とかも気になったなー。


まあ、この作品がヒットしているのは分かります。何となく面白そうだもん。だから私も見に行ったわけで。で、見た後の皆さんの感想はどうなのでしょうか。ヒット=面白いではないわけで。
次回以降細田作品を見るかどうかは、脚本を誰が書いているかを確認してからにします。