やりやすいことから少しずつ

好きだと言えないくせして子供みたいに死ぬほど言ってもらいたがってる

映画「金メダル男」 感想

餅は餅屋


映画「金メダル男」を見てきました。公式サイト↓
kinmedao.com
この作品は、以前内村さんが独り舞台で上演した舞台作品がもともとの原作。そのときのエントリ↓
ese.hatenablog.com
内村さんはもちろん芸人として大好きですが、映画監督としてはそんなに評価していません。前作「ボクたちの交換日記」はなかなかよかったですが、「ピーナッツ」は上手くないと思いました。


で、今作。えーっと、感想は「これ、コントじゃん」です。
オープニングの秋田泉一(ウッチャン)が生まれる場面で両親の平泉成さんと宮崎美子さんの髪型があまりにズラなので、この時点で「あ、この作品は真面目に見たらいけなんだな」と理解したのですが、そうであっても「これは映画として見ていいのかな?」と乗り切れず見ていました。
セリフも演技も脚本も、映画のものではない。その言い方はコントだよね、そのリアクションはコントだよね、その展開はコントだよね。


あと、キャスティングも記号のようでした。いい母親役といえば宮崎美子、つつましい女性といえば木村多江、変わり者の校長といえば竹中直人。そのまま過ぎないですか?


物語も、「とにかく一番になりたい」という目的なので、具体的に何をしたいのか分かりません。いろんなことに手を出してどれもとっちらかっただけ、に見えてしまいます。
主人公は何がしたくて、何のために頑張っているのかが見えないので、応援がしにくい。感情移入が難しい。


大きく見れば「人生っていろいろあるよね。でも諦めなければ何歳からでも挑戦はできるよ」ということを伝えたいのだと思うのですが、あまりそうは思えませんでした。言いたいことは理解できるが、心に入ってこない。


映画らしい見せ方・撮り方も感じられませんでした。せっかく映画マニアの内村さんなのだから、いろいろな演出や撮影方法をすればいいのに。名作のパロディでもオマージュでもいいのに。


この作品は、108分しかありませんが、体感としてはとても長く感じました。カットや編集が間延びしているとは感じませんでしたが、物語に入り込めないので「時間を忘れて手に汗を握る」ような感覚がなかったためだと思います。


餅は餅屋なのかなー。ウッチャンはコント作りは上手いけど、映画は上手くないのかなー。


舞台は面白かったのです。それは、目の前でウッチャンがひとりっきりでしゃべりまくり動きまくりだからです。内村さんの頑張りを見る舞台だったので主人公のキャラ自体は気にならなかったのですが、実際に映像にするとキャラが生きていないし嫌な奴に見えてしまうのです。


あーん、残念。
でも、私の周りには「面白かった」という感想も多かった(なので私も見に行ったのです)ので、この私の感想だけで判断せず、ぜひ見に行ってください。弱気のオススメ。


ウッチャン関連エントリ↓
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金メダル男 Gold Medal Man (2016) 映画予告編

金メダル男 (中公文庫)

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