やりやすいことから少しずつ

好きだと言えないくせして子供みたいに死ぬほど言ってもらいたがってる

映画『SING/シング: ネクストステージ』感想

アニメと歌の力で上書き


映画『SING/シング: ネクストステージ』を見てきました。
www.universalpictures.jp
前作は「物語としてはいろいろ思うところはあるけど、歌の力でねじ伏せた」という感想でした。あと、映像表現は素晴らしい!
ese.hatenablog.com
さて、本作はどうかしら。
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うーむ。「アニメだから何となく見ちゃうし名曲が多いから何となく興奮するけど、お話としてはめちゃめちゃじゃない?」でした。


冒頭、スカウトに酷評され落ち込むムーン。この人、根っからの楽天家でヤマ師だからこんなことくらいで落ち込まないんじゃないかなあ?その後すぐに復活してレッドショア(物語中のラスベガス的な地区)へ行こうという流れ。躁鬱かよ。クライマックス前のボディーガードが部屋に訪れるのを怖がるムーンと、その直後外に飛び降りて逃走するムーン。同一人物?躁鬱かよ。
申し込んでないので忍び込むというのはいいのですが、オーディションの出し物がちゃんとできていないというのはいいのか?そして口からでまかせで「伝説の歌手クレイ・キャロウェイを出演させる」と言う。ウソじゃん。詐欺じゃん。
一応の保険として「子供の頃クレイのコンサートで『ボクのステージに出てください』『ボウヤが大きくなったらな』のやり取りがあった」など、ギリギリでいいので根拠がないと、完全に詐欺師になっちゃうよ。(このエピソードでもアウトだけど)
ムーンはハッタリ屋だけど前向きで出演者達のケアや鼓舞もして演出家としては一流、みたいな部分があればいいのに。ムーンは結局どういう奴なのかよく分かりません。誇大妄想家の詐欺師でいいの?


娘に甘いプロデューサーに振り回されるというのはエンタメ制作あるあるでよいですが、娘の性格がよく分からん。ワガママなのか父親に反発する自立心があるのか。主役を降ろされて脇役に回る場面で、ムーンはきちんと説得をして彼女を納得させなければならない。その辺がぼんやりしているので、彼女の心変わり(=成長)が見えにくくなっているのです。


ジョニーはダンスに苦戦。そこでストリートダンサーに師事を仰ぎ、見事ダンスを習得。
どうやって?あの先生とこの先生は何が違うの?「リズムに身を任せて」なんて言っていたけど、それだけでできるようになるかな?この指導法だから上手くいかなかった、ジョニーにはこういう特性があるからこの指導法だから上手くいった、という「先生の違いの差」が描かれないので、何がどう違って上手くいかなかった・上手くいったのかが分かりません。


そして本作の肝はクレイ・キャロウェイをどうやって出演させるのか。肝心のこの部分は、結局何も描かれない!ただアッシュが寄り添っていたら何となく情にほだされただけ。
そりゃないぜ。15年引きこもっていた大物を表舞台に出すんだから、それ相応の心変わりの理屈が必要です。


本作は、登場人物の心の動きがまったく描かれないので、カタルシスがない。どうやってその苦悩や苦境を脱したのか。その人の頑なな心をどうやって変えたのか。
描いてよ。


裏方さんたちと最初は協力関係が築けなかったわけで、そこもドラマになるのに描かない。「このままでは間に合わない→(何かがあって)→ムーンのために頑張ろう→間に合った→ありがとう(感謝)」とかがあればいいけど、「ギクシャク→ミス・クローリーのスパルタ強権」だけ。裏方さんへの敬意がほしいなー。


ここからは私の勝手な妄想込みの感想ですが、前作から続投のキャラは、本作では何も成長しません。ジョニーのダンスが上手くなるくらい。
地方の劇場で成功して、エンタメの本場に出てきた。そしたら本場のエンタメは自分の実力では到底太刀打ちできないレベルだった。→努力。
もしくは地方の劇場で成功したので自信が慢心になり、努力を怠るようになった。→気づきを得て努力。
など、何かしら成長を織り込んで描いてほしかったです。


また、クレイ・キャロウェイが15年ぶりに人前に出ていきなり歌えるものかしら?
歌えるとしたら、リハーサルで素晴らしい歌声を披露→他のキャラに刺激を与えて努力への引き金になるとか。
もしくは歌えないのであれば、歌えるようになるまで必死に努力する姿を他のキャラが見て努力への引き金になるとか。
クレイ・キャロウェイ自体にも「成長」は描けたと思うんだけどなー。


あと、劇中劇の脚本はムーンとグンターが書いていて、結末部分はグンターに丸投げしていたので、そこで何か意外なオチが来ると思っていたのに何もなし。私が勝手に期待していただけですが、残念。


とはいえ、ボノと稲葉浩志を引っ張り出しただけでこの作品の勝利は約束されています。私が見たのは吹き替えで、稲場さんのしゃべり演技はひどいものでしたが、いざ歌い出せばあの声だもん、素晴らしい。


●ムーン(内村光良
前作以上にムーンでしたな。上手かった。
ロジータ坂本真綾
高所恐怖症だけどムーンを助けるために飛ぶ、という場面はよかった。あと、子供を兵器として使うのもよかった。
●アッシュ(長澤まさみ
劇中だと長澤まさみって感じがしなかったです。役の声になっていた。最初のシーンでギター1本+MPCというライブのやり方が「今どきの弾き語り」になっていてとてもよかったです。
●ジョニー(大橋卓弥
特に感想はないっつーことは自然でいい演技だったんだな。
●ミーナ(MISIA
前作張りに歌唱力を見せつけてほしかった。ナーメテーター案件にしてほしかった。
●グンター(斉藤司
斉藤さん、今回もとてもよかった!演技もいいし、グンターと斉藤さんのポジティブなキャラが合致していてとてもよかった。
●アルフォンゾ(ジェシー
MISIAとデュエットでファルセットを歌うのは、さすがに荷が重かったね。この役、本国版はファレル・ウィリアムスなんだよね。こっちで聴いてみたい!
●ポーシャ(アイナ・ジ・エンド)
最初のしゃべりでは「フワちゃん?」と思ってしまいました。歌い出したら上手いのでアイナだ!と思い出した。
●クラウス(山寺宏一
前作のマイク(ネズミ)はまったく出てきませんが、山ちゃんは別人として本作にも登場。さすが山ちゃん、何でもできる。


2020年3月ツイートまとめ

新車がやってきた!ヤァ!ヤァ!ヤァ!

最後の買い物


高校2年の夏休み、友達の家に遊びに行ったらそいつが原チャリ(原付バイク)を持っていて、乗せてもらったらめちゃ楽しかった!そこでその日、その友達から免許取得用のテキストを借りてその晩勉強して翌日原付免許を取得しました。行動が早い。
その夏休み、私はクリーニング工場でバイトをしていました。自転車で工場まで汗ダラダラかいて出勤し、クリーニング工場ですから中はもっと暑くて汗ダラダラかきながら仕事をし、一生懸命バイトを頑張っていました。しかし当時の時給は450円!今から30年前とはいえ、高校生バイトとはいえ、当時でも最低時給は大きく下回っていたと思います。それでも社会の仕組みなんて知らない高校生ですから、何も文句も言わず働いておりました。
その秋、誕生日プレゼントとして、このバイト代を足して原チャリを買ってもらいました。中古で8万円くらい。当時の高校生にとって原チャリはめちゃデカいアイテム。行動範囲が広がるぜ!


大学1年の春休みに自動車免許も取得しましたが、まだ車は持てず、この原チャリでずっと生活をしていました。
大学3年生のときに、親が車を新しくするからということで、親のお古をゲット。マイカー第1号です。
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ダイハツシャレード。この画像と同じ白でした。
この車は親のお古ですから、もらった時点で既に古いわけです。何とチョーク付き。耕運機か!いくら30年近く前とはいえ、あの当時ですらチョーク付きの車なんて周りでは見たことありませんでした。
チョークを引いてからエンジンをかける。エンジンが暖まったらチョークを戻す。耕運機か!しかも冬はなかなか暖まらないので、ブレーキを踏んで回転数が落ちるとエンジンが止まってしまうのです。なのでカーブを曲がるときはギヤをニュートラルにして、ブレーキを踏んで減速をしつつアクセルを適宜踏んで回転数を落とさないようにして、曲がったらすぐにギヤを入れてアクセルをふかすという面倒くさい運転方法をしていました。戦後か!
しかもこの車は古い上に装備が何もなく、CDプレイヤーなんてあるわけはなく、カセットデッキすらなく、FMラジオもなく、AMラジオしか聴くことができない車でした。時計もないので自分で時計を買って付けていたのですが、夏の直射日光を浴びると液晶がバカになって何も表示されない。無意味か!
今思えば本当に古くてボロい車でしたが、自分にとっては初めての車だったのでその辺の不満はあまり思わず、自信満々に女性を乗せたりしていました。
最初の車がマニュアルだったのはよかった。今でも軽トラなどを運転するときに困らないから。昔取った杵柄。


大学卒業後、就職1年目のときに初めて自分のお金で車を買いました。
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ホンダシビッククーペ。この形だったかな?あまり細かく覚えていません。色は青で、とてもカッコよかった。
中古で買ったのですが、3年落ち程度だったので見た目は新車同様の輝き。装備も一通りあり、やっと人並みの車を持つことができました。
前の車といちばん違ったのはドアの開閉音。初めてドアを閉めたとき、前の車は何とペラペラだったのか!と思ったのを覚えています。そしてこのときに初めて「前の車、ちょっと恥ずかしかったな」と思うようになりました。
シビッククーペは5~6年くらい乗ったかな?


3代目はホンダストリームの初代。
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色もこれですね。初の新車。でもローン。
当時「この車を乗っているうちに結婚するだろう」「結婚して家族ができたらミニバンがいいよな」と思い買ったのですが、結婚しませんでしたね。
普段は2列ですが、3列シートにもできる構造。しかし3列シートにするほど大勢の人を乗せることなんてほぼないし、その分2列目が狭いので、それだったら最初から広々とした2列でよかったなーと思いました。
ストリームは好きだったのですが、同時期にホンダはオデッセイに力を入れていて友達もそれに乗っていて、どう見てもそっちの方がカッコいいよなーと思いながら見ていました。しかもトヨタはウィッシュを出して、これがストリームと全く同じサイズなのです。そしてウィッシュの方がデザインも洒落ている。自分の車は好きでしたが、うっすらと悔しい気持ちも持っていました。
これは10~12年くらい乗ったな。毎回車検のたびに「買い換えてもいいけど、車検で15万円払えばあと2年乗れるしな」と思うとなかなか手が出ず、何回も車検を通していきました。


4代目は日産デュアリス
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色もこれ。ついに新車一括購入。俺もここまできたぜ。
このときは地元に戻っていて、親に新車購入の話をしたら「ご祈祷してもらいなさい」と言われて山伏に祈祷してもらったいい思い出。
ese.hatenablog.com
この車は9年乗って、買い取り専門店に持っていったらとても高く買い取ってもらいました。
ese.hatenablog.com
前の車もそうすればよかったー。前の車は処分費用として逆にお金取られたもんな。


12月に車を手放してから3ヶ月。まあまあ不便でした。土曜日は奥さんが仕事なので、朝送っていく。その後は自由ですが、夕方には迎えに行かなければならない。そうなると、その時間までに戻ってこなければならないので遠出はできない。映画にも行けない。うむむ。
これも高く買い取ってもらった代償だ。仕方ない。
そして、ようやく、納車!
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マツダCX-5です。色は赤!マツダの赤は美しいし、この車は赤がいちばん似合う。
ディーラーでいろいろ説明を聞いてカギを受け取り、いよいよ私の元に。新しくて高級車なので機能がたくさん付いています。正直、そこまでなくてもいいけどなーと思う機能もありますが、使えるものはありがたく使わせていただこう。


今のところ、予定としては60歳くらいまで乗って、その後はもう少し小さめの車にしようかなと思っているので、たぶんこれが生涯一番高い買い物になりそうです。
大事に乗るので、事故に遭いませんよーに。


映画『ザ・バットマン』感想

暗いねん


映画『ザ・バットマン』を見てきました。公式サイト↓
wwws.warnerbros.co.jp
バットマン』シリーズはクリストファー・ノーラン監督の3部作しか見たことないので『バットマン』には詳しくないのですが、予告編は面白そう。
さて。
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暗いねん。映像もお話もブルース・ウェインも、みんな暗いねん。
お話がダークでシリアスなのはいいし、舞台が夜(闇)なのもいいし、主人公が心に闇を抱えた存在というのもいいのですが、全部乗せだとさすがに暗すぎる。
夜でかつ雨なので、よく見えない。カーチェイスシーンもよく見えない。むむむ。


お話は、悪人が暴いた善人(市長・検事など)の悪事、悪いのは誰?自警団として暴力を振るうコスプレ野郎は正義?という「正義と悪は両端ではなく紙一重なのでは」というもの。
それは分かるのですが、面白さが足りない。エンタメが足りない。
自らを「復讐」と言うバットマンが、クライマックスでロープを切り水に落ちます。ここで復讐者バットマンは死に、その後発煙筒を掲げて人々を助けるヒーローとして生まれ変わります。
それは分かるのですが、面白さが足りない。エンタメが足りない。
本作は新バットマンの第1作目でバットマンがヒーローになるための物語なのでしょうが、ダークさが強すぎてそのカタルシスを感じることができませんでした。


あとは、とにかく長い。175分は長すぎる。こちとら上映前の予告編から見ているので、3時間越えですよ。膀胱との戦い。
上に何度も書いたように暗くて重いので、より長さが気になります。暗くて重いからこそ、話の筋はすっきりとさせてほしいなー。
まあ、本作は「探偵ノワールもの」で、私はそういうジャンルだと思って見ていなかったので「お話もキャラも暗いなー」と思ってしまったので、最初からそういうジャンルだと思って見ていたらまた違う印象だったのかもしれません。


バットマンはもう何度目かのリブートなので、誕生の物語は描かれません。それでいい。トム・ホランドの『スパイダーマン』がそうだったように、みんなが知っていることを何度もなぞるのはダルい。その判断はいいのですが、キャラ説明不要なのに175分は長いんだよ!
ロバート・パティンソンはイケメンで目の周りを黒く塗るゴスメイクも似合っていましたが、暗いねん。復讐しかないんか。実業家としての、表の顔ももう少し見せてほしかったなー。
あと、バッドマンの動きは歌舞伎役者みたいでしたな。ゆっくりと見得を切る。


キャット・ウーマン役のゾーイ・クラヴィッツは、唇がめちゃステキ。エロい。途中何度かバットマンとキスしていたのが腑に落ちん。何でキスしたの?
ルフレッド役は、私はマイケル・ケインで擦り込まれているのでアンディ・サーキスのゴツい感じが受け付けなかったです。実は敵なんじゃないかと思ってしまいました。


ラストの刑務所内でリドラーと話していたのはジョーカーなんですね。私、分かりませんでした。続編ではジョーカーが出るのか。どういう役どころなのかなー。どういうお話なのかなー。ジョーカーが出たら見ちゃうと思いますが、もう少し短く!明るく!ユーモアも入れて!が私の願いです。


バットマン関連の過去作記事↓
ese.hatenablog.com
ese.hatenablog.com
ese.hatenablog.com
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2022年2月ツイートまとめ